
自然エネルギー財団は6月19日、経済産業省資源エネルギー庁で策定が進められている第7次エネルギー基本計画に向け、分析報告書「脱炭素へのエネルギー転換シナリオ:2035年自然エネルギー電力80%を軸に」を公表した。
今回の報告書では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が求める1.5℃シナリオに基づき、2035年までの温室効果ガス排出量削減を2019年比65%以上を実現するための方策を示した。これにより発電からの排出量を2019年の428Mtから2035年には113Mtにまで削減できるという。
まず、電力については、大幅な蓄電所と連系線の増強により、再生可能エネルギー80%、そのうち変動型再生可能エネルギー50%で、24時間365日電力を供給できることをシミュレーションによって明らかにした。同時に、鉄鋼の電炉化、産業・民生・運輸における電化と効率化、建築物のZEB/ZEH化を進めると、2019年度比66%減が可能となる。
2035年の電源構成としては、太陽光発電29%、風力発電21%、水力・地熱発電10%、バイオエネルギー11%、蓄電所・揚水発電で8%、水素発電1%、天然ガス火力発電等20%とした。石炭火力発電と原子力発電は0%とした。再生可能エネルギーの設備容量は2022年度の152GWから2035年度には蓄電池72GWを加えて全体で502GWとし、3.3倍必要と見立てた。
発電コストは、蓄電池費用・系統増強費用を含めたとしても、ウクライナ戦争前の水準に収まると推計された。電力システム全体で見た「統合コスト」でみても、高くはならないことを示唆されたとした。
【参照ページ】脱炭素へのエネルギー転換シナリオ
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