
IT世界大手Xのリンダ・ヤッカリーノCEOは8月7日、世界広告主連盟(WFA)や、ユニリーバ、マース、CVSヘルス、オーステッドを相手取り、テキサス州北米地区連邦地方裁判所に提訴したと発表した。業界基準に基づく広告出稿ボイコットが米国の競争法「反トラスト法」に違反していると主張している。
【参考】【国際】ツイッター広告出稿上位100社のうち50社、広告出稿中止。背景にはNGOの要求(2022年11月29日)
リンダCEOは、今回の声明の中で、共和党議員が委員長を務める米下院司法委員会の報告書「GARM(責任あるメディアのためのグローバル・アライアンス)の害」に言及。同報告書では、Xを含む多くの企業に対する違法なボイコットの証拠が調査によって発見されたと記載しており、共和党が掲げる反ESG政策の一端を担っている。
WFAは2019年、有害な広告コンテンツに対処するため、「責任あるメディアのためのグローバル・アライアンス(GRAM)」を結成。さらにGRAM憲章として、「広告とメディアのための共有された普遍的な安全基準の確立」「業界共通のブランド・セーフティ・ツールの改善と作成」「相互の説明責任と独立した検証・監視の推進」の3つを掲げている。
GRAMへの加盟は任意でWFA加盟企業への加盟義務はないが、120社が現在加盟している。加盟企業には、今回訴訟対象となったユニリーバ、マース、CVSヘルス、オーステッドの他、ウォルマート、コカ・コーラ・カンパニー、ペプシコ、レッドブル、マクドナルド、ネスレ、ダノン、モンデリーズ・インターナショナル、ゼネラル・ミルズ、P&G、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ロレアル、コルゲート・パーモリーブ、キンバリークラーク、マスターカード、NIKE、アディダス、LVMH、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、LinkedIn、TikTok、YouTube、ベライゾン、ボーダフォン、シェル、BP、バイエル、イケア、ディアジオ、ハーシー、ウォルト・ディズニー、HP、ルノーグループ、ボルボ等がある。日本関連では、ソニーグループ、電通、サントリーホールディングス傘下の米サントリーグローバルスピリッツも加盟している。
米下院司法委員会の報告書は、「委員会が入手した証拠によれば、GARMとそのメンバーは直接ボイコットを組織し、その他の間接的な戦術を駆使して、不利なプラットフォーム、コンテンツ制作者、報道機関を標的にし、悪魔化し、事実上、消費者の特定の選択肢を制限しようとした」と表現。リンダCEOは、これによりXは数十億米ドル相当の損失が出たと伝えた。
リンダCEOは今回、「ユニークでダイナミックかつ安全な環境の中で、人々、ブランド、広告主が活躍できるプラットフォームを構築し続けることを使命としてきた」と表明。ボイコットにもかかわらず、利用者は過去最高を記録しており、2022年8月には72億アクティブ増え、今では、90億を超えたと述べた。動画に関しても、昨年比で1日の動画再生回数は45%増の82億回となったという。
米国の報道では、法律専門家の見解として、同訴訟が成功する可能性は低いと言われている。一方、同社オーナーのイーロン・マスク氏は、自身のXアカウントを通じて、ボイコットの被害を受けた人たちは、裁判所に提訴すべきだと呼びかけた。実際に、右派インフルエンサーに支持されている動画サイト運営Rumbleも、8月6日にWFAを相手取った別の裁判を起こしている。
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