
国際的なボランタリーカーボンクレジット発行団体米Verraは8月22日、プラスチッククレジット市場の確立支援に関するディスカッションペーパーを発表した。タイのバンコクで開催されているプラスチック汚染国際専門家会議に先駆けて意見をまとめた。
現在タイのバンコクでは、国連プラスチック汚染に対し法的拘束力ある文書を開発する政府間交渉委員会の専門家会合が8月24日から28日まで開催されている。さらに11月25日から12月1日まで韓国の釜山で、世界プラスチック条約採択に向けた第5回政府間交渉委員会(INC-5)が開催されることになっている。
プラスチッククレジットとは、プラスチックを回収することでクレジットが創出でき、それをプラスチックを排出した事業に販売することで、各企業が自主的に掲げているプラスチック回収目標達成にカウントできるようにする制度。カーボンクレジットとは切り離されて運用されており、一つのプロジェクトからカーボンクレジットとプラスチッククレジットの双方を創出することも可能。すでにVerraは、プラスチッククレジットの発行を始めており、欧米やオーストラリアの飲料メーカーや小売メーカーで自主的な活用が始まっている。
【参考】【国際】Verra、オーストラリア初のプラスチッククレジット付与。自発的市場(2023年5月23日)
今回にディスカッションペーパーでは、各国で整備が進む包括的な拡大生産者責任(EPR)制度に関し、プラスチッククレジットの概念を取り込むことで、効率的な制度設計ができると主張している。Verraha、EPRは、プラスチック汚染の下流に対処するために必要な廃棄物の回収、分別、リサイクルに資金を供給、運営するために、世界的なベストプラクティスとして広く受け入れられていると伝えた。
特に新興国や発展途上国では、廃棄物管理インフラを拡大し、EPR制度を実施するための財政的・管理的資源が不足しており、プラスチッククレジットがより有効に機能するとした。
【参照ページ】The Opportunity for Plastic Credits to Support Inclusive Extended Producer Responsibility (EPR) Systems: New Discussion Paper
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