
デンマーク電力大手オーステッドは8月29日、同社が所有していた最後のコンバインドサイクル型石炭火力発電所「エスビエル発電所」を廃止した。
デンマーク政府は2022年10月、オーステッドに対し、石炭及び石油を燃料とする火力発電所の残り3基を、電力不足時の電源として運転を継続することを決定。オーステッドは、同命令に従い、3基の運転を継続してきたが、スタッドストラップ石炭火力発電所4号機、キンドビー・ピークロード石油火力発電所21号機はすでに廃止。8月31日までの運転継続を命じられていたエスビエル石炭火力発電所3号機が最後の1基となっていた。今後、3基とも非常時の待機電源となる。
エスビエル発電所での年間石炭消費量は約50万t。2006年以降、コンバインドサイクル型の発電所も削減する方針を打ち出し、石炭火力発電所での持続可能なバイオマスでの混焼も進めてきた。最終的に同社は、2025年までに再生可能エネルギー比率99%という目標を掲げており、ついに実現する形となった。
同社は、休止中のエスビエル石炭火力発電所4号機を所有しているが、現在、火災で損傷した大型木質ペレットサイロを再建中で、2024年末までに完成する見込み。発電所の再稼働後は、バイオマス専焼となる。
同社は、2006年から2023年までにスコープ1と2の温室効果ガス原単位排出量を92%削減。科学的根拠に基づくカーボンニュートラル目標を達成した世界初の大手エネルギー会社となった。
【参照ページ】Ørsted shuts down its last coal-fired heat and power plant
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