
仏再生プラスチック・ベンチャーCarbiosは10月29日、繊維to繊維リサイクルを目指すコンソーシアム「ファイバー・トゥ・ファイバー」加盟5社と協働し、アパレル繊維由来の再生繊維のみで生産した白Tシャツを製造したと発表した。アパレル繊維による完全クローズド・ループ・リサイクルに世界で初めて成功した。
ファイバー・トゥ・ファイバーには、アパレル世界大手独プーマ、アパレル世界大手米フィリップス・バン・ヒューゼン(PVH)、アパレル世界大手パタゴニア、スポーツアパレル大手スイスOn、スポーツアパレル仏大手サロモンが参画している。
今回のプロジェクトでは、コンソーシアム参画の全企業が、ロール生地や裁断くずをフランスのクレルモンフェランにあるCarbiosの実証リサイクル工場に配送。Carbiosは、バイオリサイクル技術を用いてケミカルリサイクルし、元のモノマーであるPTAとMEGに還元した。得られたモノマーはその後再重合され、外部パートナーが紡織。新たな生地を生産し、最終的にTシャツを製造した。
今回リサイクルしたアパレル廃棄物は、コットンやエラスタンとの混合素材や、耐久撥水加工等のさまざまな加工、染料が施されており、従来の方法ではリサイクルが難しいもの。今回、技術達成レベルをアピールするため、あえて難易度の高い廃繊維が選ばれた。Carbiosのバイオリサイクル技術では、石油由来のバージンポリエステルと同等品質の再生ポリエステルが生産できる。
再生ポリエステルの活用では、一般的には、原料にはペットボトルが用いられており、繊維から繊維へのリサイクルはわずか1%にとどまっている。今回、同社のバイオリサイクル技術により、完全クローズド・ループ・リサイクルの道が見えてきた。同社の実証リサイクル工場は2021年に稼働を開始している。
【参照ページ】The world’s first 100% “fiber-to-fiber” biorecycled clothing unveiled by multi-brand consortium: CARBIOS, On, Patagonia, PUMA, PVH Corp. and Salomon
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