
マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)は10月28日、金融インクルージョンの観点を踏まえたFTAF勧告の改訂案を発表した。同市中協議文書に対するパブリックコメントを12月6日まで受け付ける。
今回の改訂案では、マネーロンダリング/テロ資金供与防止と金融インクルージョンのバランスを調整することを提案している。具体的には、FATF勧告の重要原則となっているリスクベース・アプローチの文脈をさらに強調し、リスクの低い状況については、簡易措置を導入する各国政府に推奨する。
具体的には、まず、現行ルールでは、勧告1で用いられている「相応の(consomensurate)」を「相応の(proportionate)」に変更。また「比例的」の定義も、「FATF勧告が採用するリスク・ベースのアプローチとの関連において、比例的または相応の措置または行動とは、特定されたリスクのレベルに適切に対応し、リスクを効果的に軽減するもの」に変更する。
次に、各国監督当局に対し、「金融機関/DNFBP(指定非金融業者・職業専門家)が実施しているリスク軽減措置をレビューし、考慮する」ことを義務づけ、リスクの部分的な理解のみから生じる過度のコンプライアンスを回避し、金融機関/DNFBPとのエンゲージメントにおいて比例性を考慮させる。
その上で、リスクの低いと判断される状況では、従来の「各国は簡易な措置を認めることを決定することができる」から、改訂後には「各国は簡易な措置を認め、奨励すべきである」に変更し、簡素化措置の実施を可能にする環境整備を積極的に行うよう求める。
他方、潜在的にリスクが高い状況の例として、「非対面の顧客識別および取引」を挙げ、非対面の取引に関連するリスクを軽減する可能性のあるデジタルIDシステムの技術的進歩を反映し、「適切なリスク軽減措置が実施されていない限り」という文言を追加する。
【参照ページ】Public Consultation on AML/CFT and Financial Inclusion – proposed changes to FATF Standards
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