
国際的な低炭素推進機関投資家イニシアチブ「Investor Agenda」は11月7日、「気候危機に関する政府向けグローバル投資家声明」の2024年版に対し、約650の機関投資家が賛同したと表明した。合計運用資産額は33兆米ドル(約5,100兆円)。国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議(COP29)の場で、発表会も催した。
Investor Agendaは、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、国連責任投資原則(PRI)、CDP、及びGlobal Investor Coalition on Climate Change(GIC)構成4機関のIIGCC、AIGCC、IGCC、Ceresの計7団体で構成。パリ協定整合のアクションを投資家に普及させることをミッションとしている。最近では、毎年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)に向け、国連総会やニューヨークでのClimate Weekが開始される9月に各国政府向けの共同声明を発表している。
Investor Agendaは9月、「気候危機に関する政府向けグローバル投資家声明」の2024年版を発表し、11月1日まで機関投資家からの署名を募っていた。今回の共同声明は、各国政府に対し、5つの重要アクションを実行するよう要求した。5つのアクションの詳細アクションについても記載されている。
- 経済全体の公共政策の実施:1.5℃目標と整合する2035年目標の設定、補助金や政府保証の提供、堅固なカーボンプライシング制度、ネットゼロ公共調達水準の策定、気候変動適応ファイナンス等
- 特に排出量の多いセクターにおけるセクター別戦略の実施
- 気候危機の原因となる自然、水、生物多様性に関連する課題への対処(緩和と適応の双方)
- 金融システム全体における気候関連情報開示の義務化
- 新興国や発展途上国における気候変動緩和、レジリエンス、気候変動適応活動への民間投資の促進
【参考】【国際】機関投資家4200兆円、COPに向け各国政府に1.5℃達成遵守要求。日系機関投資家も多数(2024年9月24日)
署名した日本の機関投資家は、かんぽ生命保険、第一生命保険、住友生命保険、大同生命保険、太陽生命保険、第一フロンティア生命保険、住友生命保険、ニッセイアセットマネジメント、三井住友トラスト・アセットマネジメント、日興アセットマネジメント、野村アセットマネジメント、大和アセットマネジメント、農林中金全共連アセットマネジメント、りそなアセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメント、SOMPOアセットマネジメント、T&Dアセットマネジメント、三菱地所投資顧問、野村不動産アセットマネジメント、積水ハウス・アセットマネジメント、三井物産オルタナティブインベストメンツ、日本バリュー・インベスターズ、上智学院等。
【参照ページ】Statement Close: United, more than six hundred investors call on world governments at COP29 to implement critical climate policies
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