
国際漁業NGOの海洋管理協議会(MSC)は10月29日、漁業サステナビリティを加速させる新たなイニシアチブ「MSC向上プログラム」を発足した。MSC認証の簡易版として、一定の条件を満たすことで、MSC認証サプライチェーンへのアクセスを認める制度を始動した。
MSCが運営するMSC認証を取得した漁業事業者は、すでに500を超える。一方、乱獲の増加に歯止めがかかっておらず、国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、世界の水産資源の38%が乱獲状態にある。
今回創設した「MSC向上プログラム」は、各指標において最低限必要なパフォーマンスを達成し、特定のトレーサビリティ要件を満たすことで、「MSC向上プログラム参加」のマークを商品パッケージ裏面にラベル表示することができる。評価の中では、今後5年間で測定可能な改善を遂げることが課され、行動計画に対しては第三者検証も必要となる。また、MSC認証とは異なるため、MSC認証マークを掲載することはできない。
MSCは今回の制度を、既存の漁業改善プロジェクト(FIPs)を補完するものと位置づけている。またMSC向上プログラム参加事業者に対しても、最終的にはMSC認証取得を促していく考え。
同制度では、すでに実証運用が終了しており、最初の認定は2024年8月に南アフリカのビンナガ漁業の関係事業者に付与されている。
【参照ページ】MSC Launches Global Initiative to Accelerate Sustainability in Fisheries
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