
米メリーランド地区連邦地方裁判所は2月21日、トランプ大統領が署名したDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)を巡る大統領令の内容の一部を違憲とし、執行の仮差止を命ずる判決を下した。連邦政府は不服とし、控訴するとみられる。
同裁判は、全国高等教育多様性担当者協会(NADOHE)、米国大学教授協会、レストラン・オポチュニティーズ・センターズ・ユナイテッド、メリーランド州ボルチモア市長及び市議会等が原告。1月20日と21日に署名された大統領令が違憲として訴えていた。
具体的には、全ての連邦政府機関に対し、「エクイティ(公平性)関連」の助成金や契約を終了するよう指示する「終了条項」、連邦政府との契約や助成金を受ける全ての企業・団体に対し、DEI関連の活動が連邦反差別法に違反していないことを確認させる「認証条項」、司法長官に対し、違法な差別を行う「DEI関連プログラム」を民間企業から排除するための戦略的執行計画を策定するよう指示する「執行脅威条項」の3つが、合衆国憲法第1条(言論の自由)、第5条(適正手続・曖昧さの禁止及び三権分立の原則)に違反していると主張していた。
同裁判では、原告ら同大統領令の影響を受ける可能性が十分に高いとし、原告適格性を認めた。その上で、「エクイティ」や「DEI」の定義が曖昧であり、恣意的な解釈を許すものであり、思想・表現を理由に政府資金の提供を禁止することは違憲とした。判決では、三権分立の原則に関しては触れず、米司法省が民間のDEIプログラムに関する報告書を作成したり、同テーマに関する調査に従事したりすることそのものは阻止しなかったが、制限や禁止をする行為を違憲としており、原告勝利と言える。
またカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は2月28日、トランプ政権が実施している連邦政府職員の数千人にも及ぶ大量解雇に仮差止命令を発出した。米人事管理局(OPM)には、通常1年未満の経験しかない試用期間中の職員も含め他の連邦政府機関の職員に解雇を命じる権限がないと判断した。同裁判は、全米政府職員連盟、全米郡・自治体職員連盟、アメリカ国立公園保護連合等が原告となっている。
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