
米連邦最高裁判所は3月5日、米トランプ大統領が大統領令で発動した海外援助団体への助成金の支払停止を速やかに解除し、支払うよう命ずる判決を下した。裁判官9人のうち、リベラル派判事3人と保守派のジョン・ロバーツ長官とエイミー・コニー・バレット判事が賛成、残りの保守は4人が反対となり、原告勝訴なった。
トランプ大統領は1月20日、大統領令に署名し、全ての海外開発援助を90日間一時停止するよう指示。プログラムの効率性と米国の外交政策との整合性に関する審査を実施すると発表していた。これにより、15億米ドルから20億米ドルの支払が凍結されていた。
同裁判は、原告がAIDSワクチン・アドボカシー・コアリション(AVAC)とジャーナリズム・デベロップメント・ネットワーク(JDN)。トランプ大統領、マルコ・ルビオ国務長官、ラッセル・ヴォート行政管理予算局(OMB)局長及び当該3つの政府機関を相手取り、トランプ政権による海外援助資金の凍結に異議を唱える訴訟を起こしていた。
原告によると、海外開発援助を受けていた団体は、90日間の凍結の間、業務停止命令を出され、影響を受けるプログラムの実施を直ちに中止するよう指示されたとも主張していた。また原告は、同大統領令が、行政手続法、押収管理法、反不足法、合衆国憲法の複数の条項に違反しているとも訴えていた。
同裁判では、連邦地方裁判所が2月13日、海外開発援助の支払凍結を求める原告側の一時差止命令を部分的に認め、トランプ政権が2025年1月19日以前に割り当てられた海外援助資金の支払を命令。また、同政権がこれらの資金の管理に関連するいかなる業務停止命令も出すことはできないとの判決も下した。しかし、連邦政府は同判決に従わなかったため、原告側は再び同裁判所に提訴。2月25日に再び連邦地方裁判所は、2月26日午前0時までに支払を命ずるよう命じていた。
それを受け、連邦政府は2月25日、同判決を不服とし、連邦巡回区控訴裁判所に控訴したが、同裁判所は控訴を即時棄却。また連邦政府は同日、連邦最高裁判所に対し、連邦地方裁判所での審理が終了するまで連邦地方裁判所の判決の効力を即時停止するよう申請し、連邦最高裁判所は受理。そして今回の判決で、連邦地方裁判所に対し、「一時差止命令を確実に遵守するために、政府がどのような義務を果たさなければならないかを、遵守期限の実現可能性を考慮しながら明確にする」よう指示し、連邦地方裁判所の判決を支持した。
裁判の中では、原告側は、支払凍結は「支払凍結が続けば、従業員や彼らの活動に依存する人々と同様に、並外れた、取り返しのつかない損害に直面するだろう」と主張。一方、反対の立場を採った判事は、管轄権の適格性を欠く地方裁判所の一判事が、米国政府に20億米ドルもの税金を支払うよう強制する権力を持ってはいないと主張した。
連邦地方裁判所は、3月6日に原告側の仮処分申請に対する審問を予定している。
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