スペイン電力アクシオナのアクシオナ財団と国際NGOの仏Action Against Hungerは3月3日、国際的な人道支援機関が現場での活動や人道危機におけるエネルギー需要を測定し、再生可能エネルギーソリューションを設計できるデジタルツール「REact(Renewable Energy for Assisting Communities Tool)」を開発し、無償提供を開始したと発表した。
REactは、国際的な人道支援機関40機関から専門家170人をボランティアとして収集し、経験、知識、ビジョンを共有し、設計。ソフトウェアは、スペインのマドリード工科大学の電気通信工学技術学校により開発され、スペイン太陽エネルギー研究所が計算とアルゴリズムを検証した。EUの欧州委員会人道援助・市民保護総局(DG ECHO)からも共同出資を受けている。
REactは、2つのモジュールで構成。一つ目は、エネルギーの専門家でなくてもアクセス可能な直感的なアンケートに基づき、従来の人道支援分野におけるエネルギー需要を評価できる。もう一つは、エネルギー需要を充足する太陽光発電による代替案を提供し、化石燃料由来のソリューションとのコスト、期間、環境への影響を比較可能にする。 同ツールはすでに、約300件のエネルギー評価と持続可能なソリューション設計プロジェクト、進行中の実証プロジェクト2つでテストを実施。モーリタニアでは、太陽光発電プラントを通じ小学校にクリーンな電力が供給され、コロンビアでは、遠隔地を巡回する医療チームが、従来の発電機とガソリンへの依存を解消し、モバイル太陽光発電装置の導入に繋がっている。
【参照ページ】‘REact’, a new digital platform to introduce clean energy into humanitarian aid projects 【画像】ACCIONA