
カナダ政府は4月1日、2019年に導入された消費者向け燃料に課されていた炭素税「燃料課徴金」が廃止された。マーク・カーニー首相が3月に廃止令に署名していた。企業向けの炭素税は継続する。
カナダでは、温室効果ガス排出量削減のため、2019年に燃料課徴金が導入。温室効果ガス排出量1tに対し、2019年に1t当たり20カナダドルで開始され、2030年まで同170カナダドルへと年々増加するルールとなっていた。
一方、近年の物価高騰により、燃料課徴金が政府批判の大きな材料となり、野党保守党のピエール・ポワリエール党首が、燃料課徴金の廃止キャンペーンを開始。深刻な政治・社会分断の材料となっていた。それを受け、3月に自由党党首に就任したカーニー首相も、党首選挙中から燃料課徴金の廃止を公約に掲げていた。
カーニー首相は、温室効果ガス排出量削減に向け、消費者ではなく、大企業向けの削減策を強化し、消費者向けにはインセンティブを付与する政策を進めている。具体的には、カナダの二酸化炭素排出量取引制度(カナダETS)「大規模産業排出者アウトプット軸価格設定システム(OBPS)」での排出量取引価格の引上げと、炭素国境調整メカニズム(CBAM)の導入の2つが柱。さらにクリーンエネルギープロジェクトの承認の迅速化や、グリーンビルディング及びモビリティ電動化にも資金インセンティブを付与していく考え。
消費者向けでは、消費者の省エネ・クリーンエネルギー設備投資に対し資金インセンティブを付与。また、家庭等の個人の温室効果ガス排出量に大きな責任を持つ企業に課徴金を課し、その資金を消費者に還元する制度の構築も検討している。
カナダでは、連邦政府が消費者向け燃料課徴金を廃止していこう、各州も独自の燃料課徴金を廃止する動きが広がっている。すでに、ブリティッシュコロンビア州と、サスカチュワン州が廃止を決定。両州政府は、米国政府がカナダ物品への関税率を引上げたことにより、工業製品の生産コストを引き下げる目的が在ることも表明している。
【参照ページ】Mark Carney presents plan for change on consumer carbon tax
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する