
機関投資家30団体は5月2日、同日開催されたHSBC株主総会に合わせ、同社にネットゼロ・コミットメントを再度表明するよう求めた共同声明を発表した。署名機関投資家の運用資産総額は1.2兆ポンド(約230兆円)。
HSBCは2020年、スコープ1、スコープ2、スコープ3のうちカテゴリー1(購入製品・サービス)、カテゴリー2(資本財)、カテゴリー6(出張)を2030年までに、スコープ3カテゴリー15(金融)を2050年までにカーボンニュートラルにする目標を設定。しかし2月、スコープ1、スコープ2、スコープ3のうちカテゴリー1(購入製品・サービス)、カテゴリー2(資本財)、カテゴリー6のカーボンニュートラル達成時期を、2050年に延期すると表明。またカテゴリー15の削減中間目標についてもレビューする考えを示した。
これに対し、今回の共同声明は、同社が欧州とアジア全域にエクスポージャーを持つ世界最大級の銀行とした上で、「すでに世界中の地域社会の生活と生計に影響を及ぼしている異常気象の影響などの気候リスクに対して、欧州の同業他社よりもさらに脆弱な立場にある」と強調した。
その上で、「現在、HSBCが世界経済の長期的な繁栄を確保する上で重要な役割を果たすことにどの程度コミットしているのかについて、知る由もない」「この投資家グループは、HSBCに対し、気候変動に関するこれまでの進展を後退させることなく、さらに前進させることを早急に確認し、株主との対話を通じてこのプロセスを実行するよう求めている。もし銀行がそうしないのであれば、株主が沈黙を守ることを期待すべきではない」と伝えた。
今回の共同声明に署名したのは、英国国教会年金理事会、地方自治体年金基金フォーラム、ボーダー・トゥ・コースト年金パートナーシップ、グレーター・マンチェスター年金基金、ネスト、KLP、AkademikerPension、エトス財団、Australian Ethical, Axiom Alternative Investments、イエズス会・イン・ブリテン、トリニティ・カレッジ・ケンブリッジ等。年金基金やキリスト教系団体が多い。
同社のジョルジュ・エルヘデリCEOは、同日の株主総会の中で、約3分の1をサステナブルファイナンスや気候変動に関する内容に費やしている。ネットゼロ・バンクを2050年までに実現するコミットメントをあらためて表明。2020年以来、約4,000億米ドルのサステナブルファイナンスと投資を提供・促進してきたと説明した。
その上で、「我々の野心に向けた進展は、実体経済における脱炭素化のペースに左右される。私たちは、課題が最も大きく、進展にばらつきがある多くのセクターや市場に進出している」「だからこそ、2030年中間目標に向けた道のりの中間点を迎えるにあたり、私たちは中間目標に向けたファイナンスによる排出量目標と関連方針のレビューを開始した」と述べ、今回の方針転換の異議を語った。また、レビュー結果は2025年年後半に公表する予定とした。
【参照ページ】Investors call on HSBC to reaffirm climate commitment - ShareAction response
【参照ページ】HSBC HOLDINGS PLC – AGM STATEMENTS
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する