
欧州委員会は5月20日、欧州経済領域(EEA)全域で公的資金の支援を受ける再生可能水素生産プロジェクト15件の選定結果を発表した。総額9億9,200万ユーロ(約1,600億円)の補助金を支給する。
今回発表されたのは、欧州委員会が2023年3月に創設した「欧州水素銀行」が管理するイノベーション基金による再生可能水素オークションの第2弾。再生可能水素の定義については、欧州委員会の委託法令により、追加性(アディショナリティ)、時間的相関、ライフサイクルでの温室効果ガス排出量等の要件を満たすものとされている。第1弾のオークションは2024年4月に結果が示され、プロジェクト5件(生産能力合計150万t、1,442MW)に総額6.95億ユーロ(約1,100億円)が発表されていた。
【参考】【EU】欧州委、「再生可能水素」定義を委託法令で規定。追加性、時間的相関、LCA排出量等(2023年2月15日)
第2弾では、5カ国から15件が選定され、生産能力は220万t、2.337MW。選定されたプロジェクトのうち12件は、kg当たり0.20ユーロから0.60ユーロの固定プレミアム補助金を受け取る。また、第2弾では、初めて海運セクターのオフテイカー(プロジェクトで生産された水素をバンキング活動に利用する事業者)を有する水素生産者向けの枠を創設し、3件が選定。当該プロジェクトは、1kg当たり0.45ユーロから1.88ユーロの範囲で固定プレミアム補助金を受け取る。
生産された水素は、輸送燃料、化学原料、メタノールやアンモニアの生産等の分野が想定されている。選定されたプロジェクトは、契約締結後、2年半以内に財務的措置を完了、5年以内に再生可能水素の生産を開始することが求められる。
再生可能水素オークションには、EU加盟国政府も個別の追加補助金を支給できる「Auctions-as-a-Service」制度が認められている。今回、スペイン、リトアニア、オーストリアの各政府が、国内のプロジェクトに最大8億3,600万ユーロの補助金を支給することも決定した。
欧州委員会は、同オークション制度を補完する施策として、生産者と需要家をマッチングする「水素メカニズム」も創設する考え。EUは、REPowerEU計画により、2030年までにEU域内で1000万tの再生可能水素生産能力を確保することを目標としている。
【参照ページ】Nearly €1 billion awarded to boost development of renewable hydrogen
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