
経済産業省所管の電力広域的運営推進委員会(OCCTO)は6月25日、将来の電源開発の材料とするため、2050年までの電力需給モデルシナリオを発表した。デジタル・半導体産業で2050年までに電力需要が最大195,000GWh増加すると見立てた。
今回のシナリオは、OCCTOの「将来の電力需給シナリオに関する検討会」の中で示されたもの。作成したシナリオの特徴は、2050年カーボンニュートラルという政府の方針に縛られず、「現実がどうなりそうか」という点に立脚して定められている点にある。そのため、経済産業省が策定するエネルギー基本計画やOCCTOが行う供給計画、広域連系系統のマスタープランとは整合していない。
シナリオ策定プロセスでは、電力中央研究所、地球環境産業技術研究機構(RITE)、デロイトトーマツコンサルティングの3社が、OCCTOが提示した需要18要素、供給力12要素を考慮し、各々「High」「Middle」「Low」の3ケースを想定し、シナリオを策定。さらに、合計30社の業界団体・実務者等にヒアリングを行い、最終的に2040年で2通り、2050年で4通りのモデルシナリオをまとめた。
(出所)OCCTO
2050年のモデルシナリオでは、電力需要は950,000GWhから1,250,000GWhの水準となり、人口減少にもかかわらず、産業の電化やデジタル化の進展により2019年比で大幅に増加する見立てとなった。
供給量では、2040年では火力発電の経年リプレースの水準により2パターン、2050年ではさらに原子力発電の稼働延長や新設を踏まえた水準により2パターンを用意。それにより、需要と供給の組み合わせでは、2040年で4パターン、2050年では16パターンとなった。
(出所)OCCTO
各シナリオでは、火力発電の経年リプレースを行い、さらに火力発電のカーボンニュートラル化を達成しなければ、電力が大幅にショートする予測となっている。なお、再生可能エネルギーの発電量については、コストを考慮した上で最大値が設定されており、今後のコストが下がっていけば伸びしろがあることを示す内容となっている。
【参照ページ】第10回 将来の電力需給シナリオに関する検討会 配布資料
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