
大阪ガスは6月27日、JFEエンジニアリングと共同で進めているケミカルルーピング燃焼技術開発が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/CO2分離・回収型ポリジェネレーションシステム技術開発」の助成事業に採択されたと発表した。同様の実証実験は世界初。
ケミカルルーピング燃焼技術は、バイオマス等の燃料を、空気中の酸素を用いずに、酸化鉄等の金属酸化物中の酸素を使って燃焼させる技術。燃焼排ガス中に空気由来の窒素や窒素酸化物が混入しないため、容易に高純度の二酸化炭素を分離・回収できる。また、燃料との反応により一部の酸素を失った金属酸化物は、空気と反応して発電用蒸気に利用できる高温熱と、水と反応して水素を生成することが可能。そのため、金属酸化物は、燃料との反応前の状態に戻って再び一連の反応を繰り返せるようになる。
同社は、ケミカルルーピング燃焼技術を、バイオマスや有機廃液等から電力・水素・二酸化炭素を同時に製造するプロセスと位置づけている。燃料にバイオマス燃料を用いた場合は、再生可能エネルギー電力と水素に加え、バイオマス由来の二酸化炭素を同時に製造できる。一方、燃料に有機廃液を用いた場合には、廃棄物をリサイクルして電力・水素・二酸化炭素を同時に製造することが可能となり、廃棄物の有効利用につながる。
ケミカルルーピング燃焼技術に関して、同社がNEDO助成事業に採択されたのは今回が2回目。2020年度からの1回目では、ケミカルルーピング燃焼プロセスの原理を確認し、300kW級の装置の基本設計に成功した。今回の2回目の助成実証では、2027年度までに300kW級実証機を大阪市此花区の大阪ガス酉島事業所内に建設し、バイオマスや有機廃液等を用いた実証試験を行う。
同社は6月3日には、NEDOの別の「SOECメタネーション技術革新事業」で、SOECメタネーションのベンチスケール試験施設を竣工。大阪ガスが社会実装を目指すSOECメタネーションは、従来のサバティエ反応メタネーションのエネルギー変換効率約55%から60%を大幅に上回り、約85%から90%を実現できる可能性がある。これにより、再生可能エネルギー電力を用いたe-メタン製造コストの大幅な低減が期待できる。
SOECメタネーション技術では、同社は、自社開発の触媒を用い、2024年度から一般家庭2戸相当のラボスケールでの試験を開始。今回竣工したベンチスケールでは、一般家庭約200戸相当で規模が100倍となり、装置の性能確認を行うとともに、プロセス全体の運転データの取得を行い、高いエネルギー変換効率を達成するための検証を進める。さらに、2028年度から2030年度にはパイロットスケール試験を進め、2030年度に世界最高レベルのエネルギー変換効率となる約85%から90%を実現するe-メタン製造技術の確立を目指す。将来的には、2031年度以降の実証フェーズを経て、2030年代後半から2040年頃の実用化を目指す。
また7月8日には、同社100%子会社のDaigasガスアンドパワーソリューションが出資する袖ケ浦バイオマス発電が、千葉県の袖ケ浦バイオマス発電所での商業運転を開始。バイオマス専焼では国内最大級で設備容量75MW。同社にとって、バイオマス専焼発電所の商業運転開始は7ヶ所目で、単独で開発・運営する発電所としては2ヶ所目となった。
他にも、6月27日には、ブルースカイソーラーと協働して進める中小型太陽光発電所の継続的な共同開発で、新たに、6か所の非FIT/非FIP太陽光発電所を開発することを決定。合計の設備容量は8MW。6月16日には、三菱HCキャピタル傘下の三菱HCキャピタルエナジー、三菱地所、サムスン物産と共同出資する北海道千歳市の上長都ひかり蓄電合同会社が、蓄電発電所の着工を開始している。設備容量25MWで、供給量は50MWh。
【参照ページ】ケミカルルーピング燃焼原理を用いた電力・水素・CO2同時製造技術に係る実証試験の開始について
【参照ページ】グリーンイノベーション基金事業におけるSOECメタネーションのベンチスケール試験施設の完成について
【参照ページ】袖ケ浦バイオマス発電所の商業運転開始について
【参照ページ】Sonnedix社が保有する稼働済みメガソーラー発電所への出資参画(7か所目)について
【参照ページ】大阪ガスとブルースカイソーラーによる非FIT/非FIP太陽光発電所の開発(第4弾)について
【参照ページ】北海道千歳市の系統用蓄電池設備着工のお知らせ
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