
米財務省は8月15日、7月の大統領令を受け、太陽光発電及び風力発電プロジェクトに適用される今後2年間の減税措置に関する規則を発表した。関係者の間では最悪のシナリオを免れたとの評価となり、再生可能エネルギー関連の株価が上昇した。
米連邦議会で可決された大型減税法「One Big Beautiful Bill法」では、バイデン政権下に導入されたインフレ抑制法(IRA)再生可能エネルギー減税に関し、2028年末以降に建設が開始される再生可能エネルギープロジェクトに対しては減税が廃止されることを決定。一方、同法の施行日から1年以内に建設開始もしくは2027年末までに使用開始の場合には減税措置が適用され、その後も2027年末に建設が開始されたものに対しては、減税率が引下げられながらも、減税措置が受けられることとなった。
【参考】【アメリカ】One Big Beautiful法案、両院で可決。IRA税控除「廃止」を「減額」に修正(2025年7月4日)
これに対し、トランプ大統領は7月、One Big Beautiful Bill法には盛り込めなかった内容を、行政府として検討する大統領令に署名。財務長官に対し、風力発電や太陽光発電等の再生可能エネルギー減税の撤回を強化する検討を命じていた。
【参考】【アメリカ】トランプ大統領、再エネ規制強化を指示。One Big Beautiful Bill法の積み残し処理(2025年7月8日)
今回発表されたルールでは、2026年7月4日までに建設が開始された風力発電と太陽光発電に対しては減税措置が適用されることを決定。それ以降に建設が開始された案件に対しては減税が廃止となった。
「建設開始」の判定については、「重要な性質を有する物理的作業が開始された時点」を「建設開始」のタイミングとみなすと規定した。物理的作業の開始時点の判定では、契約内容に基づくオフサイト作業とオンサイト作業の双方が考慮されるとした。オフサイト作業については、「部品の製造、設備の設置、ラックやレール等の支持構造物、インバーター、変圧器(電気発電において電圧を69kV未満に昇圧する際に使用されるもの)の製造」を例示。オンサイト作業については、風力発電では基礎工事、アンカーボルトの地面への設置、基礎のコンクリートパッドの打設、太陽光発電では太陽光発電パネル、コレクター、太陽電池をサイトに固定するためのラックやその他の構造物の設置を例示した。
また、建設が開始されたとしても、事業が継続されていることを示す「継続要件」も課すと説明。継続されていないと判断されると減税適用が取り消される。但し、悪天候による中断、自然災害による中断、許認可獲得のための中断、当局からの中断要請、系統接続待ちによる中断、カスタム部品の製造待ちによる中断、ストライキ等による中断、資金調達理由での中断、絶滅危惧種の存在発覚による中断等に関しては、正当な中断理由として認められる継続要件を満たしていると判定されるとした。
さらに、建設開始から4年以内に運転を開始することも必須とした。
今回のガイダンス発行前の8月4日、マイクロソフト、アマゾンのAWS、アルファベット傘下のグーグル、メタ・プラットフォームズ、エクイニクス等が加盟する米データセンター連合は、財務省に対し、データセンターの拡大に向けた電源確保のため、再生可能エネルギー減税措置を継続するよう求める書簡を送付していた。
【参照ページ】Sections 45Y and 48E Beginning of Construction Notice
無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。
無料登録してチケットを受け取る
【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら
または
有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化
- 2000本近い最新有料記事が読み放題
- 有料会員継続率98%の高い満足度
- 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する