
ドイツのフランクフルト地方裁判所は8月26日、米アップルが同社のApple Watchを「当社初のCO2ニュートラル製品」と宣伝していたことに対し、競争法に違反していると判断。カーボンニュートラルの訴求を中止するよう命じた。
同裁判は、ドイツ環境消費者保護NGOのドイチェ・ウンヴェルトヒルフェ(DUH)が提訴したもの。アップルが「CO2ニュートラル」と訴求するために活用していたカーボンクレジットの品質に問題があると訴えていた。
アップルは2023年9月、「Apple、初のカーボンニュートラルな製品」を発表し、各製品の排出量を75%以上削減し、残存排出量には質の高いカーボンクレジットでオフセットすることで、Apple WatchのSeries 9とSEで、製品カーボンフットプリントでカーボンニュートラルを達成したと表明していた。製品のカーボンニュートラル訴求では、SCSグローバル・サービシーズから第三者保証も得ていた。
これに対し、原告は、オフセットのためにアップルが活用したカーボンオフセットの質を懸念。活用されたカーボンクレジットは、パラグアイで森林地をリースし、ユーカリを植林することで創出された森林由来のカーボンクレジットだが、使用された土地の75%のリース契約が、わずか4年後に満了予定だったことが問題となった。
今回、同裁判所は、賃貸契約が2029年までしか結ばれていないことから、現時点ではカーボンオフセットは2029年までしか保証されておらず、カーボンニュートラルを説明するために必要な期間よりも21年も早く終了すると判断した。
裁判では、リース契約の延長を証明することも求められ、アップルは、カーボンクレジット発行機関のVerraに、リース契約後のクレジット創出分を扱う「Verraバッファー口座」が開設されていると説明し、リース延長の不確実性が解消されると主張したが、裁判所は認めなかった。
今回の判決を受け、アップルが控訴するかは不明。また同社の広報担当者は6月、今回の裁判に関し、「排出削減と炭素除去の両方が、地球規模の気候目標達成に必要であるというEU及びドイツの気候戦略及び国際的な科学的コンセンサスに反するDUHの立場には強く異議を唱える。当社のカーボンニュートラル製品は、排出量を大幅に削減するクリーンエネルギーと低炭素設計における業界をリードする革新と、厳選された自然基盤型プロジェクトへの投資によって実現されている。DUHの行動は、世界が必要とする信頼できる企業の気候変動対策への意欲を損なう恐れがある」と伝えていた。
【参照ページ】Erfolgreiche Klimaklage der Deutschen Umwelthilfe: Apple darf seine Apple Watch nicht mehr wie bisher als CO2-neutral bewerben
【参照ページ】Apple、初のカーボンニュートラルな製品を発表
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