
二酸化炭素除去カーボンクレジット購入企業連合「Frontier」は8月26日、カナダ海洋アルカリ化促進(OAE)技術開発Planetaryと3,100万米ドル(約45億円)超の二酸化炭素除去契約を締結したと発表した。今回の契約は、OAE分野で過去最大規模。
Frontierは、二酸化炭素除去技術を有する企業に対し、購入契約を大規模かつ複数年にわたる購入契約を直接締結することで、今後数十年の間に気候変動対策に資する規模まで成長させることを目指すイニシアチブ。直接契約を行うメンバー企業には、グーグル、セールスフォース、Shopify、H&Mグループ、JPモルガン・チェース、Stripe、Workday、マッキンゼー、Autodeskが加盟。Frontierと提携するWatershedを通じ、購入に参加するパートナー企業には、Aledade、Canva、Match Group、Samsara、SKIMS、スカイスキャナー、Wise、Zendeskが加盟している。
Planetaryは、2019年にカナダで設立されたスタートアップ企業。OAE技術で大気中の二酸化炭素を除去するとともに、沿岸海水の二酸化炭素吸収能力を回復させることで海洋酸性化への対策も行っている。
同社の技術では、純粋な制酸剤を海水に添加することでアルカリ度を高め、水中の二酸化炭素と炭酸を中性の塩として中和。これにより、二酸化炭素は1万年以上海洋に安定的に貯留される。水中の二酸化炭素が除去されることで、海が大気から吸収する二酸化炭素量を確保する。
今回の契約は、同社がカナダ・ノバスコシア州にある「タフトコーブ(Tufts Cove)」で実施している実証プロジェクトの拡大。同プロジェクトは最近、世界で初めてOAEによる二酸化炭素除去量の検証に成功している。同社は今後、2026年から2030年にかけて二酸化炭素を合計11.5万t除去。これは大気中からの二酸化炭素除去と、数千年にわたって海洋に貯留するプロセスで実現する。
Frontierは、PlanetaryのOAE技術について、年間で数十億t規模に拡大可能であり、二酸化炭素1t当たり50米ドルから160米ドルと安価に実現できる可能性があると分析。有害物質を避けるための原料スクリーニング、リアルタイムでのセンサー監視で安全基準を超える異常値が検出された場合に即座に作業を停止する「ストップトリガー」計画を確立している他、MRV(算定・報告・検証)プロセスについても、アルカリ性鉱物を溶解させてから海洋に放出することで、センサーと検証済みの計算モデルを用いた二酸化炭素除去の効果測定を、正確に行うことができると語った。

【参照ページ】Frontier buyers sign $31M deal with Planetary to advance ocean alkalinity enhancement
【画像】Frontier
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