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【国際】SBTi、電力セクター・ネットゼロ・スタンダード案公表。水素・アンモニア混焼認めず

 科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)は9月2日、電力業界向けの「SBTi電力セクター・ネットゼロ・スタンダード」の原案を公表した。11月3日までパブリックコメントを受け付ける。

 SBTiは、電力セクター向けネットゼロ・スタンダードを策定するのは今回が初。同基準は、発電事業の売上が全体の5%以上の企業と、年間の温室効果ガス排出量が1万t以上もしくは全体の5%以上の企業が対象となる。発電業界だけをカバーしていた既存の電力セクター向けクイックスタートガイドに取って代わるものとなる。ガス・水素等の電力以外のエネルギー供給や、電力設備製造、自家発電のみの事業者には適用されない。

【参考】【国際】SBTi、ネットゼロ・スタンダード2版草案公表。大規模改訂。パブコメ募集(2025年3月19日)

 同基準案では、公表された企業向けネットゼロ・スタンダード第2版案との整合性を考慮。電力セクターのネットゼロ・パスウェイとして、気候変動に関する政府間パネルの第6次報告書(IPCC AR6)及び国際エネルギー機関(IEA)のネットゼロ・シナリオ2023年度版を採用した。

【参考】【国際】IEA、ネットゼロ・ロードマップ2023年版発行。対策基準引上げ。EVは2030年に65%(2023年9月29日)

 具体的な内容では、発電事業者に対しては、発電量当たりの原単位排出量を2050年までに1kg/MWh以下と低炭素電源比率を2050年までに99.43%以上のいずれかの基準を義務化。バイオマス・エネルギーについては、サステナビリティ調達を2023年までに100%にまで引き上げることを必須とした。

 加えて、低炭素電源に該当しないのは、削減努力のない(unabated)化石燃料火力比率で、2050年までに残りの0.57%未満にしなければならない。さらに中間目標として、経済協力開発機構(OECD)加盟国については、削減努力のない石炭火力発電は2030年までに全廃、同石油火力発電は2035年までに全廃、天然ガス火力発電は2035年までに全廃(但し、非ベースロード用とは例外的に許容)の目標を設定。非OECD加盟国については、削減努力のない石炭火力発電は2030年までに80%以上削減し2040年までに全廃、同石油火力発電は2035年までに85%以上削減し2040年までに全廃、天然ガス火力発電は2035年までに55%以上削減し、2040年までに全廃(但し、非ベースロード用とは例外的に許容)とした。但し、この要件を、必須とするか、発電量当たりの原単位排出量を2050年までに1kg/MWh以下のみで可とするかは現段階では未定。

 さらに、「削減努力のない(unabated)」と扱われない低炭素の火力発電の定義については、炭素回収・利用・貯留(CCUS)が設置されている、もしくは炭素回収・貯留(CCS)による回収割合が95%以上のものとした。そのため、日本の官民が「削減努力のない(unabated)」の定義に含めているバイオマス混焼石炭火力発電、水素混焼ガス火力発電、アンモニア混焼石炭火力発電は認められないことになる。一方、原子力発電は全て無条件で低炭素電源として扱われる。

 送配電事業者に対しては、送配電ロスを平均で10%(小規模事業者は20%)以下、ベストプラクティスで2%(小規模事業者は6%)以下に設定し、六フッ化硫黄の削減も求める。蓄電事業者には、蓄電ロスを6.46%以下とした。小売電力事業者には、調達・販売する電力について、発電事業者と同様に、低炭素電源比率を2050年までに99.43%以上する基準を設定した。

【参照ページ】Stakeholder input invited on the SBTi’s Power Sector Net-Zero Standard

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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