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【日本】経産省、バイオエタノールのガソリン直接混合を本格検討。2030年までにE10供給開始へ

 経済産業省は11月11日、ガソリン供給でのバイオエタノール直接混合比率を、2030年度までに最大濃度10%の供給開始、2040年度から最大20%の供給開始を目指す方針案を示した。合成燃料(e-fuel)普及までのつなぎ役として、バイオエタノール供給体制を構築していく考え。

 今回の方針は、総合資源エネルギー調査会の資源・燃料分科会脱炭素燃料政策小委員会の中で示されたもの。カーボンニュートラルの実現に向け、運輸部門でも温室効果ガス排出量削減は必要不可欠とし、自動車用燃料(ガソリン・ディーゼル)でも、日本政府として自主的に燃料転換を進めていく考えを示した。

 その上で、日本政府が、「カーボンニュートラル実現への切り札」として期待している合成燃料(e-fuel)は、商用化時期を「2030年代前半まで」とする目標を公表をしており、それまでの間、普及は難しいとの事情を吐露。その結果、合成燃料の商用化までの間、バイオ燃料としてのバイオエタノールを活用していく方向性を示した。

 現在、日本では、エネルギー供給構造高度化法に基づく告示で、石油精製事業者に対し、ガソリン代替用途でのバイオエタノールの利用を年間で原油換算50万kL義務付けている。それに伴い、石油精製事業者では、エタノールとガソリンの生成過程等で複製される炭化水素の一種であるイソブテンから合成された含酸素化合物ETBEをガソリンに混合している。

 バイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビといった植物資源に含まれるグルコース等を発酵させて製造される。バイオエタノールをガソリンに直接ブレンドして使用する方法が「直接混合」、バイオエタノールを加工したETBEをガソリンにブレンドして使用する方法が「ETBE混合」。今回、直接混合での目標値を発表した形。

 今回示した方針案では、乗用車の新車販売におけるE20(バイオエタノール比率20%)対応車の比率を100%とすることを目指すことも掲げた。今後、関係団体や有識者、政府関係者等によって構成された合成燃料(e-fuel)官民協議会において専門的な検討を行い、ガソリンへのバイオエタノール導入拡大に向けた具体的なアクションプランを策定する。

 制度の課題では、温暖化対策法に基づくSHK制度では、バイオ燃料の利用は温室効果ガス排出算定対象外となっているが、バイオガソリン(ETBE)におけるバイオ燃料の混合割合が需要家に開示されておらず、需要家が実際に利用したバイオ燃料の量に即した排出量報告が困難な状況。その結果、バイオエタノールの環境価値を需要家に訴求できていない状況となっている。今後、環境価値認証や証書等を通じた移転市場の整備も視野に入れる。

 現状、日本国内で流通しているバイオエタノールは、自給率がゼロで、海外からの輸入に頼っている。今後、ハイレベル外交を通じたバイオエタノール調達に関する相互コミットを主線としつつ、国産バイオエタノールの可能性についても追求していきたいとした。

【参照ページ】第17回 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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