国連環境計画(UNEP)と国連食糧農業機関(FAO)は11月12日、国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議(COP29)の場で、世界の一酸化二窒素の排出量を分析した報告書を発表した。
一酸化二窒素は、1980年以降、世界全体での排出量は40%増加。排出源の約75%は合成肥料や家畜の糞尿等の農業活動。また、オゾン層破壊物質として現時点で最も深刻な影響を与える物質にもなっている。
今回の報告書では、一酸化二窒素排出量を現在の水準から40%以上削減できる手法を提示。具体的には、土壌測定による効率的な施肥、家畜の糞尿管理の改善、肥料過剰消費の低減等について概説した。実践すれば、2100年までに二酸化炭素換算で約2,350億tの削減につながる。
またオゾン層破壊を防止することで、皮膚がんや白内障を低減させ、世界の早期死亡リスクを今後10年間で400万人、2050年までに約2,000万人を回避できるとした。
【参照ページ】New UN report: Rise in nitrous oxide emissions endangers pathway to 1.5°C, the ozone layer, and human health
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