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【国際】世界経済フォーラム、AI導入拡大で3つの優先テーマと9戦略発表。Frontier MINDSも発足

 世界経済フォーラム(WEF)の「AIガバナンス・アライアンス」は1月21日、AIが包括的な経済成長と社会の進捗を推進するために必要な戦略を提示した報告書を発表した。AIを地域のニーズに合わせて調整することで、AIの恩恵をすべての人が公平に享受し、持続可能で長期的な経済成長を推進するための戦略を示した。

 同アライアンスは2023年6月に発足。マイクロソフト、グーグル、メタ・プラットフォームズ、OpenAI、Inflection AI、DeepLearning.AI、IBM、オックスフォード大学、清華大学等の他、ルワンダ通信技術イノベーション相、シンガポール通信情報相、アラブ首長国連邦(UAE)AI担当相がステアリングコミッティ・メンバーとなっている。

【参考】【国際】世界経済フォーラム、責任あるAIで3つの報告書。AIガバナンス・アライアンス(2024年2月1日)

 同報告書は、AIに関する実行可能なインサイトと成功事例を紹介することで、様々なステークホルダーによる包括的なAIエコシステムの推進に向けたアクションを支援することを狙い、AIの成熟度レベルによらずAIを活用するための3つの優先テーマと9つの戦略を概説した。WEFとKPMGが共同制作した。

 3つの優先テーマと9つの戦略は、

人中心のAIエコノミー

  • 人間のポテンシャルの向上
  • 堅牢で倫理的かつ安全なセキュリティガードレールの設置

新しいAIエコノミーの成長

  • 組み込み型インテリジェンスの展開の加速
  • AIによる産業革命の開始
  • 起業のエコシステムの育成

AIエコノミーの基盤構築

  • 持続可能なAIインフラの構築
  • 多様で高品質なデータセットの収集
  • 責任あるAIモデルの開発
  • AI投資チャネルの活用

 この中で、特に重要な3つの戦略を特定し詳細を解説した。1つ目は持続可能なAIインフラの構築。AIエコノミーの成長ポテンシャルの開放には持続可能かつレジリエントなAIインフラの開発と提供が必要不可欠。一方、拡張性があり安全で環境に配慮したシステムの構築には、多額の投資とエネルギーの仕様、横断的な協力体制の強化が必要とした。

 次に、多様で高品質なデータセットの収集。データへのアクセス、不均衡、所有権等、データに関する様々な課題が存在している。人口のニーズ、特性、文化、言語を反映する必要があるため、入手可能な多様かつ包括的で、高品質なデータが必要不可欠とした。

 最後に、堅牢で倫理的かつ安全なセキュリティガードレールの設置。リスクを低減しながらテクノロジーが社会に利益をもたらすことを確実にするには、AIの堅牢な枠組みが必須となる。誤用、偏り、倫理違反を防ぐための基準を確立することは極めて重要であり、AIに対する信頼感を醸成し、責任ある開発と利用を促進する必要があるとした。

 同報告書では、世界的なAIの導入を加速させる上で、官民の協力が重要な役割を果たすことも強調。政府が支援的な政策を実施し、イノベーションと継続的な学習プログラムを推奨することで、AIの成長を促し、世界中の労働者がAIを活用する時代に活躍することができるとした。

 同アライアンスは、AIのアクセス拡大というビジョンに基づき、AIケーパビリティの向上を目的とし、地域に特化したプログラムを提供する「地域AI活性化ネットワーク」の設立を発表した。同ネットワークは、中東、アフリカ、東南アジアにおける地域的な課題への対応、強靭なAIバリューチェーンの育成、地域AIエコシステムの参加促進、データガバナンスに関する地域的な取り組みの推進が目的。2025年中に地域内のマルチステークホルダー型のプラットフォームを通じてプログラムが開発される予定。

 また、WEFは同日、AIの導入と拡大を目指す企業や政府向けの包括的なロードマップを提示した9つの報告書を発表した。産業トレンドを調査し、成功したアプリケーションを紹介、主要な推進要因を特定することで、イノベーションの推進と競争力を高め、持続可能な成長を促進するための実行可能なインサイトを提供した。

 9つの報告書は、業界横断的、地域横断的にトレンドを調査した4つの報告書と、特定の産業や機能に焦点を当てた5つの報告書で構成される。AIの変革のポテンシャルと引き出す方法について包括的な見解を提供した。

 また、拡張性の障壁、断片化されたインフラ、限定的なデータアクセス、労働者の準備状況、倫理的な懸念、エネルギー需要の増加、AIシステムへの信頼等、AIがもたらす様々な課題についても言及。同アライアンスでは、今後これらを含む課題に対してステークホルダーと議論し、協調的なソリューションを模索するとした。

 9つの報告書の概要は、

業界横断的・地域横断的な報告書

  • クロスインダストリー:生成AIやAIエージェント等の新興のAI技術が産業に与える影響について包括的に分析を実施。学習とイノベーションを促進し、信頼、人材、サイバーセキュリティ、業界間のコラボレーション等に関する責任あるAIの導入フレームワークを提案。
  • サイバーセキュリティ:AIシステムのセキュリティ確保のためのベストプラクティスを概説。業務利用されているAIを一覧化したAIインベントリの維持、導入前後におけるセキュリティ確保、リーダーシップの関与による強力なガバナンスの確立等を提案。
  • エネルギー:エネルギー消費とネットゼロ目標に対するAIの影響を調査。AIの電力需要の増加に関する懸念を強調する一方で、エネルギー利用の最適化と脱炭素化の支援にAIを活用する機会と戦略について言及。持続可能なAI展開を可能にする規制や財政支援の必要性を主張した。
  • 中国に関する分析:中国は2030年までにAI産業を1,400億米ドル(約22兆円)に成長させる目標を掲げており、中国の野心的な取り組みの検証を実施。政府支援や産業投資等の主要な推進要因を分析し、AI人材の需要の高まりや国際協力の必要性等の課題について言及。

産業・機能別の報告書

  • 最先端製造業とサプライチェーン:労働力不足や持続可能性への懸念等の課題を踏まえ、グローバル製造業の変革におけるAIの役割を分析。ソフトウェア上のAIエージェントとハードウェアを含めたAIエージェントの2種類のAIエージェントの可能性に焦点を当て、主要産業からのインサイトとケーススタディを紹介。
  • メディア・エンターテイメント・スポーツ:生成AIによりクリエイティビティと視聴者のエンゲージメントの向上、収益の最適化を行い、生産性を高めている。誤情報、労働者の準備不足等の課題に対して、透明性の高いリーダーシップ、スキルアップ、多様なステークホルダーとの協働を推奨。
  • ヘルスケア:ヘルスケアにおけるAIの役割、ケアの提供とシステムの効率性の向上について考察。導入の遅れやガバナンス等の課題に対して、官民の連携、スキルアップ、データシステムの統合、信頼構築等の対策を紹介。
  • 金融:データの透明性、プライバシー、サイバーセキュリティ、政策とのギャップに焦点を当てて考察。コラボレーションの改善、ガバナンス、スキルアップが必要だと主張。
  • 輸送:貨物物流の脱炭素化におけるAIの役割に焦点を当て、ルートや積載量の最適化等、より環境フレンドリーな輸送手段を推奨。物流エコシステム全体でのコラボレーション、持続可能なインフラへの投資を強調。

 また、WEFは、世界中の再現可能かつ影響力の大きいAIユースケースを拡大するための新しいプラットフォーム「Frontier MINDS (Meaningful、Intelligent、Nove、Deployable Solutions) 」も発表した。

 同プラットフォームは、公平な医療アクセス、気候変動、持続可能なエネルギー転換、強靭なサプライチェーン、労働力の変革等の世界的な課題に対するソリューションの促進を目的に設定。現在、対象のソリューションを募集中で、2025年のニュー・チャンピオン年次総会(夏季ダボス会議)で最初のグループが発表される予定。

【参照ページ】Towards Equitable AI: New Report Charts Path to AI Competitiveness 【参照ページ】Advancing AI Transformation: A Roadmap for Businesses and Governments

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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