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【アメリカ・イギリス】両政府、米英経済繁栄協定の詳細公表。関税率引下げは今後の協議次第

 米国と英国の両政府は5月8日、同日に締結した「歴史的な貿易協定」の内容を明らかにした。名称は「米英経済繁栄協定(EPD)」。

【参考】【アメリカ・イギリス】米英、貿易協定で合意。両国間貿易促進。英国向け相互関税引下げ(2025年5月9日)

 同協定では、目的として、「米英国間の互恵的な貿易の質と量を拡大し、両国に高賃金の雇用と成長をもたらす」「米英両国の企業が両国で事業、投資、貿易を行いやすくするために障壁を撤廃する」「特別な関係が、公正で、互恵的で、将来を見据え、両国の経済が直面する課題に対する共通のビジョンの上に築かれた、永続的な経済パートナーシップに根ざしていることを確認する」の3つを設定した。

 その上で、これまでの協議で妥結できた点を文書としてひとまずまとめ、さらに今後の協議を続けるという建付けとなっている。そのため米英経済繁栄協定には、法的拘束力はない。

米国産品に対する英国政府の関税

  • 英政府は、米国にとって重要な分野における米国の様々な原産品に対し、関税率を特恵ベースで引き下げる意向。
  • 英政府は、米国からの牛肉輸入に関し、現在、割当量1,000tの範囲で20%の関税を課しているが、撤廃する。さらに、英国は米国産牛肉に1万3,000tの特恵無税枠を設ける。その見返りとして、米国は既存の「その他の国」の牛肉関税割当量(TRQ)13,000tを英国に再配分する。
  • 英政府は、米国産エタノールに14億Lの特恵関税割当量を設ける。
  • 英政府は、原産地規則を適用し、非参加国が二国間協定を利用して関税を回避することを防止する意向。

英国産品に対する米国政府の関税

  • 米政府は、特定の主要な英国産輸入品に相互関税の引下げを行う意向。また、自動車・自動車部品関税や、鉄鋼・アルミニウム関税を含めた他の関税についても、英政府による関税引下げ要請を考慮する。
  • 米国は、英国にとって重要な分野における英国の様々な原産品に対し、関税率を特恵ベースで引き下げる意向。英国からの要請があれば、英国が外交責任を負う英国の海外領土や地域でも、関税率を特恵ベースで引き下げることを検討する。
  • 米政府は、英国産自動車の輸入に対し、10万台の輸入枠に対し10%の関税率を設定。当該自動車に付随する自動車部品についても付随する関税率を設ける。
  • 英政府は、米国への輸出を目的とする鉄鋼・アルミニウム製品のサプライチェーンの安全性と、関連する生産施設の所有権の性質に関する米国の要求を速やかに満たすよう努力する。英国が当該要件を満たすことを理解した上で、米国は英国の鉄鋼・アルミニウムおよび特定の派生鉄鋼・アルミニウム製品に対し、最恵国待遇(MFN)の割当量を速やかに設定する。
  • 医薬品・医薬品原料に関する米国の拡大通商法232条調査の結果を条件とし、英政府は、医薬品・医薬品原料のサプライチェーンの安全性と、関連する生産施設の所有権の性質に関する米国の要求を速やかに満たすよう努力する。その上で、米政府と英政府は、医薬品・医薬品原料に関する大幅な特恵待遇の内容についても協議する。英政府は、英国で事業を行う製薬企業の事業環境全般の改善に努めることを確認する。
  • 米国の拡大通商法232条等の調査対象となるその他の製品についても、英政府が、サプライチェーンの安全性と、関連する生産施設の所有権の性質に関する米国の要求を速やかに満たすことを前提とし、構造化された交渉によるアプローチを採用し、特恵待遇の妥結を目指す。
  • 米政府は、すでに発表している自動車・自動車部品関税、鉄鋼・アルミニウム関税、相互関税を含め、英政府の関税引下げ要請を考慮する。
  • 米政府は、原産地規則を適用し、非参加国が二国間協定を利用して関税を回避することを防止する意向。

非関税障壁

  • 米英両政府は、農産物市場アクセスの強化や農産物貿易の強化を検討する。両政府は、輸入される食品・農産物は、輸入国の衛生植物検疫(SPS)基準や相互に合意された基準に適合しなければならないことを確認する。両政府は、農産物の市場アクセスを改善し、懸念を特定し、貿易を促進するための特定の輸出検証プログラムや、国際的な基準設定機関を通じたより正式な二国間の関与等の分野で農業協力を強化するために協力することを約束する。
  • 両政府は、相手の適合性評価機関に関し、自国の適合性評価機関と同等以上の待遇を付与する。本項に基づく待遇には、適合性評価の認定、承認、免許、その他の承認に関する手続、基準、手数料、その他の条件が含まれる。
  • 両政府は、既存の相互承認協定(MRA)を基礎とし、必要に応じ、特定の産業財に関する追加協定を交渉し、サービスの国内規制に関する協定に向けて前進する意向。
  • 両政府は、ある基準を国際基準として承認するために使用される原則と基準について協議する意向。さらに、相互に合意された関心分野について、それぞれに適用される基準について協議する。また、特定分野内において、相手国の関連する国内基準開発機関(SDO)のうち、現在、認識された国際原則に合致している機関の認識について合意することを約束する。

デジタル貿易の拡大

  • 両政府は、金融サービスを含む野心的なデジタル貿易規定のセットについて交渉することを確認する。
  • 両政府は、ペーパーレス貿易、到着前処理、両国間の物品移動のためのデジタル化された手続に関する条項を交渉することを確認する。

経済安全保障に関する連携及び協力の強化

  • 両政府は、第三国の非市場政策に対処するための調整を含め、経済安全保障に関する協力を強化する意向。
  • 両政府は、貿易・投資安全保障措置に関する現在の緊密な連携を基礎とし、投資安全保障措置、輸出規制及びICTベンダーの安全保障の効果的な活用について協力する。
  • 両政府は、自国の調達市場へのより競争的、相互的かつ安全なアクセスを確保するため、政府調達協定(GPA)及び各々の自由貿易協定の下での調達に関する約束を再確認する。英政府が2023年調達法で定めている「英国の新たな調達のための国家安全保障ユニット及び非条約国は調達において非差別的待遇は保証されない」という規定に基づく米国の扱いも協議の対象とする。
  • 両政府は、EPDの一部として、経済安全保障を損なう脱税スキーム及びアンチダンピング、相殺関税、セーフガード等の対象国からの商品の違法な積替えと闘うための脱税税関協力に関する条項について交渉することを確認する。

商業上の配慮及び機会

  • 両政府は、重要産業及び防衛準備おける経済統合を促進するのに役立つ相互に有益な物品、サービス、投資機会及び商取引を引き続き特定し、当該取引を促進するために政府政策、ライセンスやプログラム、民間部門参加を活用することを約束する。

その他の事項

  • 両政府は、知的財産権の保護及び執行、労働慣行(サプライチェーンにおける強制労働への対応を含む)、環境政策及び慣行に関する高水準の約束について協議する。
  • 英政府は、外交関係を持つ海外領土の利益を考慮する。
  • 両政府は、他方に書面で通告することにより、同協定を破棄することができる。また、いずれかの国からの要請があれば、修正について協議する。

【参照ページ】General Terms for the United States of America and the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland Economic Prosperity Deal 【参照ページ】US-UK Economic Prosperity Deal (EPD)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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