
国際電気標準会議(IEC)、国際標準化機構(ISO)、国際電気通信連合(ITU)が運営する世界標準化協力機構(WSC)は7月11日、AIとメディアの信頼性を高める必要性を提示した2つの文書を発表した。国際機関として、メディアでの偽情報、誤情報、AI生成コンテンツの悪用に対する警戒感がますます高まってきている。
発表した最初の文書は、デジタルメディアの信頼性とAIに関する現在の基準や規格の全体像を包括的に整理したテクニカルな文書。2つめの文書は、合成マルチメディア・コンテンツの作成、使用、普及を効果的に規制するために国際規格を活用する方法に関する政策文書。双方とも、AI生成や改変されたコンテンツの出所をユーザーが識別できるようにしつつ、創造性を阻害しないことを目標としている。
テクニカル文書では、すでに、C2PA仕様、JPEG Trust、ai.txt / robots.txt、IEEE 3152等、多数の団体から関連の基準や規格が多数、自発的に生み出されていることを紹介しつつ、規制の観点を5つに分類した。
- コンテンツ・プロビナンス(出所):作成者や変更履歴等の出所情報を記録し、信頼性を担保する。
- 信頼・真正性:メディア改竄を防止し、検証可能な真正性を確保する。
- 資産識別子:デジタル資産を一意に識別し、管理や追跡を可能にする。
- 権利宣言:使用権や著作権を明示する仕組み。一般目的の宣言とAI学習等を拒否する「オプトアウト」の2種類がある。
- 電子透かし:視認可能もしくは不可視のマークで所有権や改竄の有無を示す。
また関連技術としては、ブロックチェーン、分散型ID(DID)とVerifiable Credentials、クリエイティブ・コモンズやODRL、SCITT(IETF)が重要になっていることも示した。
その上で、今後の展望としては、現行の標準の重複やギャップを特定し、相互運用可能な仕組みへと統合・整備していく必要性を提唱。さらに、啓発、政策提言、実証を同時に進めていくべきとした。
2つ目の政策文書では、これらの規制を効果的に進めていくため、国際協調、標準化に対する政府支援、信頼技術の普及促進、教育とリテラシー強化、国際標準の公共調達への活用の5つ方策を掲げた。
【参照ページ】AI and Multimedia Authenticity Standards Collaboration launches two papers to guide future of AI integration, today at the AI for Good Global Summit
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