
国連気候変動枠組条約第30回ベレン締約国会議(COP30)議長国ブラジル政府は11月11日、国際イニシアチブ「多層的ガバナンス・ソリューション加速化計画(PAS)」を発表した。パリ協定の国際目標の達成に向け、国と地方自治体の施策を統合し、制度化していく。
PASは、2023年の国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)で発足した「気候行動のための高アンビション・マルチレベル・パートナーシップ連合(CHAMP)」に基づくイニシアチブ。CHAMPは、現在国レベルで策定が求められている国別削減目標(NDC)、国家適応計画(NAP)、国家生物多様性戦略・行動計画(NBSAPs)、長期低排出開発戦略(LT-LEDS)等を地方自治体レベルでも策定することを促していくことをミッションとしている。
【参考】【国際】COP28、地方自治体単位での気候変動計画策定に63ヶ国が賛同。COP30へ道筋(2023年12月8日)
CHAMPには現在、日本を含めた78カ国が加盟。加盟国合計で、GDPの69%、温室効果ガス排出量の40%、人口の36%をカバーする。今回の会合では、CHAMPの議長国としてブラジルとドイツが選ばれた。
今回発表されたPASは、「リスク情報を踏まえた意思決定」「ナレッジとキャパシティビルディング」「官民ファイナンス」「社会的参加を確保する多層的な意思決定設計を備えた包括的ガバナンス」の4つを主要テーマとして設定している。
PASは、国レベルの国家気候計画と国別削減目標(NDC)実施戦略が、多層的ガバナンス構造・メカニズムに正式に組み込まれた事例を2028年までに100、2030年までに120に増やすことを目標として掲げた。ブラジル都市・環境気候変動省が活動を主導し、国際連合人間居住計画(国連ハビタット)とCHAMP連合が支援。C40、気候とエネルギーに関する世界市長協定(GCoM)、WRI(世界資源研究所)等の国際イニシアチブとも連携する。
目標達成に向け、CHAMPと国連ハビタットのプログラムを通じ、2028年までにCHAMP加盟国と非加盟国の双方を対象に、公務員と専門家6,000人に研修を行う考え。
【参照ページ】Brazil Leads New Global Effort to Accelerate Multilevel Climate Action
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