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【アジア・太平洋】気候リスクが不動産保険と資産価値に波及。レジリエンス強化重要に。CBRE

【アジア・太平洋】気候リスクが不動産保険と資産価値に波及。レジリエンス強化重要に。CBRE 2

 米不動産大手CBREは4月15日、アジア太平洋地域の不動産市場で深刻化する気候変動が、保険料上昇や保険付保の困難化を招き、高リスク物件の価値下落に繋がる可能性があるとの見方を発表した。正確かつ将来を見据えた不動産評価が、レジリエンス投資の促進や保険コスト抑制に重要になるとした。

 同社によると、気候関連災害はアジア太平洋地域で不動産価値の毀損や、一部の保険料・資産金融コストの上昇を引き起こしており、高リスク地域では「保険付保危機」とも言える状況が生じている。

 2025年の同地域における自然災害損失総額730億米ドル(約12兆円)のうち、保険で補償されたのは12.3%に留まったという。高リスク地域では、一部の住宅向け保険会社が撤退し、残る保険会社も保険料引き上げや契約条件見直しを進めているとした。

 オーストラリアでは、市場への新規参入や引受余力の増加で保険料上昇ペースに一定の抑制が見られる一方、洪水、サイクロン、山火事の頻発が高リスク地域の保険コストを引き続き押し上げているという。豪政府が2025年9月に公表した国家気候リスク評価では、住宅や重要インフラが気候変動への高い曝露分野と位置付けられ、保険の支払可能性悪化にも警鐘が鳴らされている。

 保険料上昇の背景としては、再保険料の上昇もある。再保険は保険会社が自社のリスクの一部を他社に移転する仕組みで、気候関連の保険金支払いや修繕・維持コストの増加を受けて再保険会社が料率を引き上げ、その負担が顧客側に転嫁されているとした。

 また同社は、不動産オーナーによる気候変動リスク緩和アクションが保険料抑制に繋がる可能性があると分析。近年は、現場での気候変動リスク緩和と保険コストを直接結び付ける「レジリエンス連動型」の保険料設定が出てきているとした。

 例えば香港のLink REITは、保有物件に対し、洪水対策を中心とする気候レジリエンス対応インフラを導入した結果、保険料を11.7%削減したと報告。2025年には、主要市場の物件群をNOIベースで見直した上で、各物件に影響する主要な気候リスクを特定。洪水リスクが想定される物件では排水機能を改善する等、脆弱性ごとに対策を講じ、リスク低減効果を定量化して保険会社に伝達したという。

 加えてLink REITの運用会社Link Asset Managementは、アクサ香港・マカオ及びマーシュと協働し、香港グリーン金融協会の支援の下、「サステナビリティ・リンク・インシュアランス(SLI)」モデルを公表。気候リスク低減策を保険商品に組み込み、先回りした気候リスク管理を評価する不動産保険ソリューションとした。

 その他にもCBREは、気候変動緩和策として、災害発生時の事前設定条件に基づき支払うパラメトリック保険の活用や、詳細なリスク評価に基づき実際に低減されたリスク水準に保険条件を合わせる手法も挙げた。

 同社は、不動産評価の役割が今後一段と重要になると分析。全ての鑑定評価で標準化されているわけではないものの、高リスク物件を中心に、一部の評価担当者が気候モデルを組み込み始めているとした。これにより、投資家や不動産オーナーが、過去の脆弱性だけでなく将来の脆弱性も把握しやすくなっているという。

 また、気候リスク評価ツールを活用することで、評価担当チームは物件の気候レジリエンスの程度を把握し、将来的な保険付保可能性や価値下落リスクをより明確に示せるようになると指摘。防水・治水インフラ等のレジリエンス強化策を資産価値に適切に反映させることも可能になる一方、保険料引き下げを正当化するには、対策の有効性を裏付ける強い実証データが必要になるとも付言した。

【参照ページ】Business Insights | Climate Risk & Real Estate: Why mitigation is the best insurance policy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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