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【国際】WMO、年末にかけエルニーニョ強化予測。気温と海水温が大きく上昇。影響に警鐘

【国際】WMO、年末にかけエルニーニョ強化予測。気温と海水温が大きく上昇。影響に警鐘 1

 世界気象機関(WMO)は10月8日、月次「世界季節気候アップデート」を発表。2026年10月から12月にエルニーニョ現象がさらに強まり、熱帯太平洋の中央部と東部の海面水温が過去最高水準まで上昇すると予測した。気象パターンを左右し、世界中の経済、生態系、地域社会に影響を及ぼすと警鐘を鳴らした。

 同報告書は、各国の季節予測システムを組み合わせたマルチモデル予測を用い、海面水温、地上気温、降水量の見通しを整理したもの。日本の気象庁を含むWMOの全球季節予測センター等が貢献している。個別の国や地域に対する公式予報ではなく、地域気候センターや各国の気象・水文機関が予測を作成する際の指針として位置付けられている。

 直近の観測では、2026年6月から8月に世界の海洋で平年より高い海面水温が広がった。特に赤道太平洋の中部・東部では高温偏差が急速に拡大。エルニーニョの状態を把握する代表的な指標である「Niño 3.4」の月平均海面水温偏差は、6月のプラス1.6℃から7月にプラス2.0℃、8月にはプラス2.5℃に上昇した。6月から8月の平均はプラス2.0℃で、赤道太平洋の各海域を対象とする関連指標も高温側となり、エルニーニョが明確に発生していた。

 10月から12月の見通しについては、Niño 3.4の季節平均海面水温偏差を約プラス3.7℃と予測。月別では10月がプラス3.5℃、11月がプラス3.8℃、12月がプラス3.9℃で、年末頃に高温偏差がピークに達する見通し。世界の陸域のほぼ全域で、気温が平年を上回る確率が高まるとの見通しを示した。降水量については、赤道太平洋の中部・東部で多雨傾向が強まる一方、インド亜大陸や南米北部などでは少雨の確率が高まると予測した。

 太平洋以外の海域でも高温傾向が続く。インド洋では、西部赤道域の相対的な昇温が強まったことで、インド洋ダイポールモード(IOD)が正の状態に移行した。正のIODは10月にピークを迎え、その後は弱まり、10月から12月平均の指数はプラス0.5℃となる見通し。北部・南部の熱帯大西洋でも海面水温が平年より高い状態が続くと予測した。

 地上気温の予測では、北半球のアフリカ、南欧、アラビア半島、インド亜大陸、東アジア、中米、カリブ海地域等で、年末にかけ平年を上回る確率が大きく高まった。北米では北緯60度以南の西岸部や北東部、さらに北極圏でも同様の傾向が示された。これらの地域ではモデル間の一致度が中程度から高い。一方、北緯50度付近の北アジアの一部、北米北西部・中部、グリーンランド内陸部では、高温側への確率の偏りは比較的弱い。

 南半球では、アフリカ南部、赤道から南緯30度までの南米、オーストラリア南部で高温の確率が大きく高まる。熱帯では、赤道アフリカ、赤道南米、東南アジアの島嶼域西部でも高温傾向が強まる。対照的に、南米東岸と隣接する内陸の一部では、平年より低温となる確率がわずかに高まるが、モデルの一致度は低い水準から中程度にとどまる。

 海洋では、日付変更線以東から南米沿岸にかけての赤道太平洋で、海面水温が平年を上回る確率が80%を超える広い範囲が予測されている。高温域は南北方向にも広がり、その中心部ではモデルの一致度が特に高い。一方、北大西洋の亜寒帯域では平年並みから低温側、強いエルニーニョの中心域の南に位置する南太平洋の亜熱帯域では低温側に偏るなど、海面水温にも地域差がある。

 降水量については、エルニーニョに強く反応する分布が示された。最も顕著なのは、日付変更線以東の赤道太平洋中部・東部で、平年より降水量が多くなる確率が大きく高まる。その周辺では、西太平洋や赤道大西洋など広い海域で少雨の確率が高い。

 アジアでは、インド亜大陸で少雨の確率が高まり、モデルの一致度は中程度から高い。一方、その北西側に当たる中央アジアの一部やアラビア半島北部では、多雨の確率が高まる。東アジアの沿岸部とその周辺でも多雨傾向を予測した。

 アフリカでは、アフリカの角を中心とする東部の広域で多雨の確率が高まり、その傾向は西アフリカ北部まで西向きに延びる。南緯10度以南のアフリカ南部の一部では、少雨側への弱い偏りが見込まれる。

 米州では、中米南部とカリブ海地域で少雨の確率が高まる。その北側では、北緯45度以南の北米の一部で多雨傾向となる。南米は北西部から北岸沿いに少雨の強い傾向が広がる一方、南東部では多雨、最南部では少雨を予測。欧州は多雨側への弱い偏りを示すが、モデルの一致度は低い水準から中程度。

 予測図は、季節平均の気温や降水量を、基準期間の分布に照らして上位、中位、下位の3区分に分け、最も確率の高い区分を表示している。色が濃いほど該当区分の確率が高く、白色は各区分の確率が33.3%ずつであることを意味する。色の濃さは気温上昇幅や雨量の大きさそのものではなく、予測の確率を表す。WMOは、季節予測の精度は短期の天気予報より大幅に低く、地域や季節によっても異なると説明している。

【国際】WMO、年末にかけエルニーニョ強化予測。気温と海水温が大きく上昇。影響に警鐘 2(出所)WMO

【参照ページ】Sea-surface temperatures reflect strengthening El Niño

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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