シンガポール不動産開発大手のシティ・デベロップメンツ・リミテッド(以下、CDL)およびサステナビリティ専門メディアを運営するEco-Businessは12月29日、シンガポールの若年層らが主体となり展開しているチャリティ団体の50 for 50イニシアチブの支援を受けて、EcoBankを開始した。
EcoBankは、シンガポール廃棄物の削減と持続可能な消費に対する啓蒙活動および社会的弱者となっている女性やその子供に対する支援を目的とするものだ。具体的には、50 for 50の支援を受けて中古の洋服や玩具、本などを人々から収集し、それらをバザーで販売する。得られた資金をSingapore Council of Women’s Organizations(以下、SCWO)に提供し、SCWOを通じて女性や子供の生活支援に充てるという仕組みだ。
この取り組みは、シンガポール政府の推進するサステナビリティ戦略、Sustainable Singapore Blueprint 2015の中で掲げられている、2030年までにシンガポールにおいて廃棄物ゼロを実現する」というビジョンに沿ったものだ。同計画は2014年にLee Hsien Loong首相が公表したもので、シンガポールを環境に優しい廃棄物ゼロのスマートシティにするために、15億シンガポールドル(約1230億円)の投資が見込まれている。
Eco-Businessの創業者、Jessica Cheam氏は「EcoBankは、同時に2つの目的を達成できるゼロからの取り組みだ。1つは、持続可能な消費というメッセージを発信することだ。それはつまり、必要なものを買うだけではなく、その製品の寿命を延ばすということだ。そしてもう1つの目的は、素晴らしい活動を展開しているSCWOのために、資金を集め、人々の関心を高めることにある。我々はこのプロジェクトをCDLと共に実施できることを嬉しく思う」と語った。
また、CDLのサステナビリティ責任者を務めるEsther An氏は「経済と人口の増加と共に、シンガポール国内における廃棄物の量は大きく上昇してきた。シンガポールが持つ埋立地に頼る方法は、長期的な解決策にはならないため、廃棄物を減らすために我々の消費活動に関して再考しなければならなくなっている。環境のサステナビリティに対するCDLのコミットメントの延長戦として、Eco-Businessや同じ志を持つNGOらとEcoBankを通じて"Reduce and Reuse for Good"に向けて地域を盛り上げるために協働できることを嬉しく思う」と語った。
EcoBankの取り組みはシンガポールとしてのサステナビリティ目標に沿った形で、企業とNGOが協働しながら廃棄物削減と社会的弱者支援を同時に実現するという優れたコラボレーション事例だと言える。なお、チャリティ・バザーは1月16~17日にかけて、シンガポール最初のエコ・モール、シティ・スクウェア・モールで開催予定とのことだ。
【参照リリース】Reuse and Reduce for Good: Singapore’s First EcoBank Launched by CDL and Eco-Business
【企業サイト】City Developments Limited
【企業サイト】Eco-Business
【団体サイト】50 for 50 Initiative
(※写真提供:joyfull / Shutterstock.com)
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