国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)と世界40都市の気候変動対応ネットワークC40が主導して運営する国際イニシアチブ「Coalition for Urban Transitions」は9月19日、都市での低炭素アクションを促進することで、2050年までに24兆米ドル(約2,600兆円)の経済効果と、二酸化炭素排出量90%の削減を同時に実現できるとするレポートを発表した。
Coalition for Urban Transitionsには、経済協力開発機構(OECD)、マッキンゼー、シーメンス、PwC、Climate Policy Initiative(CPI)、国際環境開発研究所(IIED)、ストックホルム環境研究所(SEI)、Overseas Development Institute(ODI)、グローバル・グリーン成長研究所(GGGI)、清華大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、リーズ大学等が参加。さらに今回のレポートは、英英国際開発省(DFID)、ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省、スウェーデン環境省、世界経済フォーラム(WEF)、国際連合人間居住計画(UNハビタット)や環境NGOが多数資金を拠出し、協力した。C40には日本の自治体も加盟しているが、今回のレポートへの積極的な協力はみえない。
同レポートは、現在実用可能な技術で都市は二酸化炭素排出量を90%削減できると分析。そのために世界のGDPの約2%となる年間1.8兆米ドル(約190兆円)が必要だと算出した。その場合のコスト削減効果は2030年時点で2.8兆米ドル(約301兆円)、2050年時点でも0.7兆米ドル(約75兆円)と見積もった。それら投資の回収期間は5年間と非常に短いとした。
加えて、それ以外の便益として、2030年までに年間8,700万人の雇用創出、大気汚染削減、慢性的な渋滞の緩和、労働生産性の向上等が実現できるとした。
同レポートは、具体的な例として、チリ、中国、コロンビア、デンマーク、ドイツ、インド、インドネシア、ナミビア、ルワンダ、韓国の事例を紹介している。
【参照ページ】RELEASE: New Report Finds National Governments Can Unlock Nearly $24 Trillion by Investing in Zero-Carbon Cities
【レポート】Climate Emergency, Urban Opportunity
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