EU加盟国12ヶ国の大臣とグローバル企業39社CEOは4月14日、新型コロナウイルス・パンデミックでの経済対策で気候変動を重視することを要求する協働イニシアチブ「グリーンリカバリー(Greenrecovery)」を発足したと発表した。欧州議会議員79人、業界団体の代表28人、NGOの代表7人、シンクタンクの代表6人も発足に参加。政官財のリーダーたちが結集し、経済支援策を通じてさらに気候変動ファイナンスを加速させる意思を示した。
今回発足のイニシアチブは、欧州議会の環境・公衆衛生・食品安全委員会委員長を務めているフランス出身のパスカル・カンファン欧州議会議員の呼びかけで発足。欧州委員会、政府、企業、金融機関、労働組合、NGO、シンクタンク及びステークホルダーに対し、気候変動に悪影響を与えず、むしろカーボンニュートラル社会に向けた経済支援パッケージを導入するよう要求した。
発足時に参加した各国大臣は、ドイツ環境・自然保護・原子力安全相、フランス・エコロジー・持続可能開発・エネルギー相、イタリア環境相、イタリア欧州担当相、スペイン・生態転換人口課題相、ルクセンブルク経済相、ルクセンブルク財相、ルクセンブルク・エネルギー空間企画相、ルクセンブルク環境相、オーストリア・気候行動・環境・エネルギー・モビリティ・イノベーション・技術相、ポルトガル経済・エネルギー転換相、デンマーク気候・エネルギー・電力相、スウェーデン金融市場住宅相、スウェーデン環境・気候相兼副首相、フィンランド環境・気候相。
イニシアチブに経営陣が参加した企業は、ユニリーバ、ネスレ、ダノン、コカ・コーラ・カンパニーの西欧事業部門、ペプシコ・ヨーロッパ、ロレアル、イケア(Ingkaグループ)、H&M、レゴ、SNCF(フランス国鉄)、エネル、E.ON、ユミコアのEMEA事業、3M、サンゴバン、DSM、イベルドローラ、シュナイダーエレクトリック、ネステ、Signify Europe等。WeMeanBusinessやCDPヨーロッパ等のNGOの代表も合わせ、合計180人以上が署名した。
今回の声明では、新型コロナウイルス・パンデミックにより、2008年のリーマン・ショックを上回る危機に直面していると指摘。EUや加盟国が展開している経済支援策への支持を表明した。しかし、その中で、経済回復において、気候変動、生物多様性、食糧の3分野は、重要な雇用創出としても、今後の生活改善としても機能すると主張。経済支援における公共投資や経済支援において、環境観点を組み込むことを要求した。今回のタイミングが、気候変動対策を加速させる絶好の機会を唱えた。
EUは現在、加盟国政府による柔軟な経済政策を支持するとともに、EUとして加盟国に融資を増やす形で経済対策を展開している。欧州委員会は別途、サステナブルファイナンスを加速する考えを示しているが、今回のイニシアチブは、経済支援とサステナブルファイナンスをさらに融合させることを求めるものとなる。
【参考】【EU】欧州委、新型コロナでサステナブルファイナンス・アクションプラン加速化。機関投資家も賛同(2020年4月13日)
【参照ページ】Greenrecovery
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