英エネルギーリサーチ大手ウッド・マッケンジーは11月18日、プラスチックリサイクルに関するレポートを公表した。2040年までに、廃棄プラスチックの約半数がリサイクルされるようになると分析。特にケミカルリサイクルが鍵を握っているとした。
現在、世界ではプラスチック廃棄物2.2億tが生じている。そのうち9,000万tは適切に処理されず自然界へと流出。7,000万tが埋め立て、3,000万tが焼却、残りの3,000万トンがリサイクルに回されている。また現在主流のプラスチックリサイクル方法は、メカニカルリサイクル。処理できるプラスチックの品質が限られる等の限界がある。
同レポートでは、ケミカルリサイクルに着目。ケミカルリサイクルでは、メカニカルリサイクルできないプラスチックも処理が可能で、化石燃料採掘と二酸化炭素排出量を削減することができる。同社のシミュレーションでは、2040年までにケミカルリサイクルによるプラスチックリサイクル率は約25%まで向上。リサイクル率全体では50%になると予測した。
また、ケミカルリサイクルをスケールに必要な要素にも言及。現状、プラスチックの40%が適切に処理されていないとし、プラスチック回収率の向上を挙げた。特に中所得国における回収率の向上が急務だという。また、ケミカルリサイクルへの積極的な投資も重要。2040年までにケミカルリサイクル率25%を達成するには、500億米ドル(約5.2兆円)の投資が必要だと試算した。
さらに、プラスチックバリューチェーンの形成と緊密な統合も必要だと指摘。現状、プラスチックの最終処分に莫大なコストが生じているため、リサイクルに向けたバリューチェーンを形成し、緊密な連携を取ることで、規模の経済や処理効率向上が見込めるとした。
【参照ページ】 Chemical recycling boost could see global plastic packaging recycling hit 50% by 2040
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