アルファベット傘下のグーグルは10月7日、広告主、パブリッシャー、YouTubeクリエイター向けの新ポリシーを公表した。気候変動の存在と原因に関して科学的コンセンサスに反するコンテンツへの広告掲載や収益化を禁止する。
グーグルは今回の新ポリシーの背景について、広告エコシステムの健全性を強化するだけでなく、持続可能性を促進し気候変動に正面から立ち向かうためと説明した。
具体的なオペレーションとしては、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書に貢献した専門家を含む、気候科学に関する権威ある情報源を参考にし、誤った主張を事実として述べているコンテンツを抽出し、広告掲載を禁止する。一方、誤った主張について報道または議論しているコンテンツは、引き続き許可する。これにより、IPCCの報告書に反する主張を事実として発信しているYouTube動画への広告は、禁止されることとなる。
グーグルは、今回、禁止されるコンテンツや広告として、「気候変動がデマや詐欺であるとするコンテンツ」「長期的な傾向として地球の気候が温暖化していることを否定する主張」「温室効果ガスの排出や人間の活動が気候変動に寄与していることを否定する主張」を例示した。
一方、グーグルは、二酸化炭素排出量を削減する行動変容を促すサービスを相次いでリリースしている。
まず、「Google Flights」では、すべてのフライトの座席ごとの二酸化炭素排出量を可視化し、閲覧できるようにした。これにより、二酸化炭素排出量の少ないフライトを積極的に選択できるようにする。
「Google Map」では、10月6日から、最も二酸化炭素排出量の少ない移動ルートを選択できるようにする。これにより、自転車や電動スクーターでの移動を促し、年間100万t以上の二酸化炭素排出量を削減できると試算している。欧州では2022年に同サービスをリリースする。
「Google Search」の検索では、電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車の選択肢を表示し、ガソリン車と比べた場合の二酸化炭素排出量の削減や補助金の情報を積極的に掲載。こちらのサービスは米国では2021年に開始し、2022年に対象地域を増やす。同様に、ホテル検索では、廃棄物削減、節水対策、Green Key認証やEarthCheck認証の有無等のついても表示する。
「Google Shopping」では、暖房器具、食洗機、給湯器等のエネルギーを大量に消費する製品を検索した場合、燃費のよい製品を絞り込むこむことができる機能が追加される。
家庭での温度調節管理サービス「NEST」では、新たに「NEST Renew」サービスをリリース。冷暖房に使用する電力を、再生可能エネルギーが安価な時間帯に確保でいるようにした。さらに、「NEST Renew Premium」の提供も開始し、再生可能エネルギー証書と自動的にマッチングさせ、電力を再生可能エネルギー化することができるようにもした。
交通機関に関しては、信号の切り替えを効率的にすることで、車の自動車を効率的にできるAIの開発も進めている。これにより燃費改善や移動時間短縮を目指す。すでにイスラエルで実証実験を始めており、燃料消費量と交差点での遅延時間が10%から20%削減できた。今後はブラジルのリオデジャネイロにも実証を拡大していく考え。
【参照ページ】Updating our ads and monetization policies on climate change
【参照ページ】Giving you more sustainable choices with Google
【参照ページ】Find flights with lower carbon emissions
【参照ページ】Support clean energy right from home with Nest Renew
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