グリーンピース・イースト・アジアは3月19日、大手アパレル企業らによるサプライチェーンにおける有害物質除去・水質汚染対策への取り組み状況を評価したオンラインプラットフォーム、"Detox Catwalk(デトックス・キャットウォーク)"を公表した。
ZARAを運営するインディテックス、ユニクロのファーストリテイリング、アディダス、バーバリー、プーマ、H&MらがDetox Leaders(デトックス・リーダー)の称号を得た一方で、中国のLININGやナイキはコミットメントと実際の取り組み状況とのギャップからGreen Washer(グリーン・ウォッシャー)との烙印を押され、アルマーニ、GAP、エルメス、LVMHグループらはコミットメント不足によりDetox Losersとの評価を受けた。
同ランキングは、製品および製造過程における有害物質除去に向けた取り組みや、サプライヤーへの汚染情報の開示に対する働きかけ状況などを評価基準としており、今年のランキングでは16のアパレル企業がノニルフェノールやフタル酸エステルなど、最も広く使用されている有害物質を除去し始めたことが明らかになった。グリーンピースによると、これらの企業はサプライヤーの汚染データをオンライン上で公開する取り組みを始め、それがナイキらとの大きな差となったとしている。
世界では既に環境規制・環境マネジメントにおける汚染情報開示義務の重要性が認識されている。中国では地表水の50%以上が既に飲み水としては利用できず、主要都市部の飲料用地下水の64%が激しく汚染されている。また、中国ではアパレル業界だけで国内の10%の産業用排水を占めている状況だ。同様に、フィリピンでも地下水の58%が汚染されており、水質汚染の21%がアパレル産業によって引き起こされている。
こうした状況を受け、グリーンピースは同キャンペーンでアパレル企業らに対し、全ての有害物質の使用を2020年までになくすことをコミットさせることを目指しており、彼らのサプライヤーに対して生産施設での有害物質排出量から地域における水質汚染状況に関する情報を開示するよう求めている。
グリーンピースで同キャンペーンを立ち上げたYixiu Wu氏は「過去4年間に渡る我々のキャンペーンにより、有害物質使用排除にコミットしたアパレル企業は世界のアパレル業界の約10%を占めるまでになった。我々は、この動きがサステナブル・ファッションにおける新たな基準を生み出していると信じている。秘密にされていたサプライチェーンの中身を明らかにし、美しい衣服は汚染なしでも生産できるということを示している」と語った。
ランキングの詳細および各アパレル企業に対する評価、評価基準などについては下記から確認可能。
【キャンペーンサイト】the detox catwalk
【団体サイト】Green Peace
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