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【国際】COP21が企業の気候変動対応方針強化のきっかけに。InfluenceMap調査 2016/02/02 最新ニュース

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 気候変動対応を推進する英国のNPO、InfluenceMapは1月、昨年12月にパリで開催されたCOP21が、開催前および開催期間中においてグローバル企業らの気候変動対応に関する目標や方針にどの程度の影響を及ぼしていたか(”Paris Effect”、以下「パリ効果」)についての分析結果を公表した。

 その結果、大手グローバル企業100社のうち半数以上にあたる53%が、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が指摘している地球の温度上昇を2℃以内に抑える上で必要とされる温室効果ガス排出削減量に沿った削減方針および目標を掲げていることが分かった。また、31%の企業は炭素税や排出権取引といった炭素価格制度に関する規制強化を求めていることが分かった。

 InfluenceMapは、We Mean BusinessキャンペーンやAmerican Business Act on Climate Change などの影響により、COP21開催までの3ヶ月間でグローバル企業各社の気候変動対応方針が大きく改善されたことを受け、COP21の存在は明らかに企業の行動を変えるきっかけとなったと分析している。

 具体的には、グーグルやアップルなどを含む数多くの企業が米国のクリーン・パワー・プランの実施などを含めたより強い規制の推進を支持する企業らによる誓約、American Business Act on Climate Changeにコミットメントした点や、ネスレやドイツテレコムなどリーディングカンパニーのCEOらが、世界経済フォーラムが世界中のビジネスリーダーらに送付した、炭素価格やグローバル及び国家レベルにおける科学的根拠に基づく排出削減目標の設定などに関する国際基準の策定に向けた議論を進めるよう求める書面を支持した点を挙げている。

 また、アップルのティム・クック氏やユニリーバのポール・ポールマン氏などをはじめとする世界中の数多くのCEOが、COP21に向けてより野心的かつ早急な気候変動対応に向けた合意を求めた点もその表れだとしている。

 InfluenceMapは、気候変動方針および対応状況に応じて、グローバル企業各社を「True Leader(真のリーダー):積極的な気候変動対応を支持し、実際にその動きに関わっている」「Silent Leader(静かなリーダー):化石燃料との関わりには消極的だが、気候変動規制の強化に向けた活動の優先順位はそれほど高くない」「Occasional Laggards(ラガード予備軍):気候変動規制の強化から恩恵もデメリットもないものの、事業活動の一部が気候変動対応を進める妨げとなっている」「Active Laggards(アクティブ・ラガード):事業を化石燃料に高く依存している」の4タイプに分類している。

 Ture Leaderにはユニリーバやナショナル・グリッド、Silent Leaderにはグーグルやアップル、テスラ、ネスレ、Occasional Laggardsにはフォックスコンや三菱、三井、Active Laggardsにはエクソン・モービル、ダウ、BSAFなどが分類されている。

 なお、InfluenceMapはCOP21が開催される前の2015年10月と、開催後の2016年1月という2つの時点における企業の気候変動方針・エンゲージメントスコアのランキングを公表している。この結果もCOP21の開催前と開催後では大きく変化しており、2015年10月時点のTOP5はユニリーバ(B)、グーグル(B)、グラクソ・スミスクライン(B-)、ドイツテレコム(B-)、シスコ・システムズ(B-)だったが、2016年1月にはドイツテレコム(B+)、グラクソ・スミスクライン(B+)、ユニリーバ(B+)、ナショナル・グリッド(B+)、アンハイザー・ブッシュ(B)に入れ替わり、全体の評価自体もB-中心からB+中心へと大きく変化した。

 InfluenceMapのレポートにある通り、COP21が大手グローバル企業に限らず世界中の多くの企業にとって一つの大きな転換点になったことは間違いない。世界全体として目指すべき目標の方向性が定まった今、企業が自社の事業の持続的成長を実現するためにはこの方針に沿った戦略の策定が必須となる。

 2016年は具体的な行動の年となる。COP21の影響も受けて野心的な目標を掲げた企業らが具体的にどのような野心的な行動に取り組んでいくのか、引き続き注目したい。

【レポートダウンロード】A tipping point in corporate attitudes to climate policy
An InfluenceMap Update

【参照リリース】A tipping point in corporate attitudes to climate policy
An InfluenceMap Update

【団体サイト】InfluenceMap

(※写真提供:Petr Kovalenkov / Shutterstock.com

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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