インドネシア大学は1月22日、世界で最も環境に優しい大学を格付けするランキング、"UI GreenMetric Ranking of World Universities 2015"を公表した。同ランキングは世界中の大学のキャンパス環境や大学による環境問題への取り組みなどを調査、格付したものだ。2010年の開始以降、徐々に参加大学数が増えており。2015年には65カ国、407大学が参加した。評価対象は6分野にわたり、10,000満点となっている。
2015年度のランキングで1位に輝いたのは英国のノッティンガム大学(7,267点)で、次いで米国のコネチカット大学(7,156点)、カリフォルニア大学デービス校(7,134点)、アイルランド国立大学コ―ク校(7,070点)、英国オックスフォード大学(6,963点)と続く。格付けを行ったインドネシア大学は6,157点で33位だった。
また、日本の大学からは大阪大学が5,895点で51位、千葉大学が5,855点で55位、京都大学が5,616点で82位、神戸大学が5,600点で85位、豊橋技術科学大学が5,397点で101位にそれぞれランクインしている。この他にも山口大学、徳島大学、岡山大学、北海道大学、南山大学が参加しているが、2015年の全大学数779校から見ると、参加校はまだ少ない。
GreenMetricの調査・評価対象はインドネシア大学の専用サイトから応募し、大学側からの詳細な質問票に回答した大学となる。調査項目は以下6分野からなり、重み付けにより点数配分が異なっている。
- 環境とインフラストラクチャー:1500点満点(全体の15%)
総面積のうちオープンスペースが占める割合、学生・教職員数(キャンパス人口)に対するオープンスペースの割合、キャンパス内での森林や植生地域について等、6項目。
- エネルギー・気候変動対策:2100点満点(全体の21%)
エネルギー効率のよい電気器具の使用、スマートビルディング・プログラムの実施、再生可能エネルギー使用に関する方針、学生・教職員数に対する総電力使用の割合:省エネルギープログラムについて等、10項目。
- 廃棄物:1800点満点(全体の18%)
廃棄物リサイクルプログラム、有毒廃棄物のリサイクル、生ごみ処理等、6項目。
- 水の管理・処理:1000点満点(全体の10%)
節水に関するプログラム、水のリサイクルに関するプログラム、節水効果のある器具の使用等、4項目。
- 移動手段・交通:1800点満点(全体の18%)
学生・教職員数に対する自動車やバイクの割合、学生・教職員数に対するシャトルバスの割合、学生・職員数に対する自転車の割合、キャンパス内の車・バイクの制限に関する方針等、7項目。
- 教育:1800点満点(全体の18%)
全講座・科目に対するサステナビリティ関連講座・科目の割合、全研究に対するサステナビリティ関連研究の割合、サステナビリティ関連の出版物や発表、サステナビリティ関連のイベント等、6項目。
今、世界では大学がサステナビリティの分野で存在感を高めつつある。学生の需要増加を受けてサステナビリティ関連の専攻を設ける大学も増えているほか、サステナビリティ関連の研究開発・イノベーション拠点の創設、キャンパス施設のLEED認証取得、大学基金による化石燃料からのダイベストメントなど、様々な取り組みが広がっている。将来世代の育成を担う大学がサステナビリティや環境活動に積極的に取り組む長期的な意義は非常に大きい。同ランキングへの参加校もさらに増えることが期待される。
【参考サイト】UI GreenMetric Ranking of World Universities 2015
【参照リリース】UI GreenMetric Ranking : University of Nottingham is The World’s Best Green Campus
【団体サイト】University of Indonesia
(※写真提供:Alastair Wallace / Shutterstock.com)
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