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【欧州】EUの有害化学物質管理ソフトがアップデート、「IUCLID 6」発表

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 EUの専門機関の一つ、欧州化学機関(ECHA)は4月13日、有害化学物質の管理データベース用に公開している無料ソフトウェア「IUCLID」の最新版「IUCLID 6」を発表、4月29日からソフトウェアのダウンロード提供を開始した。IUCLIDはEUの化学物質規制では不可欠のツールであり、ソフトウェア上で有害化学物質の情報を管理したり、政府当局に対して報告書を提出することができる。EUのREACH規則もこれに基づいて管理されている。IUCLIDは OECD基準のHarmonized Templateにも対応したものとなっており、OECDも使用を推奨している。

 IUCLID 6は、以前のIUCLID 5に比べ操作性が向上しているという。報告書作成時の自動入力チェック機能が搭載され、REACH規則の変更にも対応したものとなった。また、自動で入力チェックができない項目には手動の承認機能が設けられ、提出書作成時に内部で管理がしやすいようになった。今年5月31日までの政府への法定報告書提出についてはIUCLID 5でも提出を受け付けるが、今年6月以降からはIUCLID 6からの提出のみが認められる。それに伴い、今年6月には化学品安全性報告書(CSR)を加盟国政府当局に提出する際に使用される関連ツール「REACH-IT」もアップデートされ、「REACH-IT 3」となる予定だ。

 6月に発表される新たなREACH-ITでは登録の重複チェック機能が搭載される。これまで政府は、同一の登録申請内容であるにもかかわらず、申請書類がばらばらに別のタイミングで提出されることを認めてこなかったが、システム的に防止する機能がなかった。今回は同じ物質についての登録が既にある場合、書類を提出できなくなる。

 同じく関連ツールである「Chesar」もREACH-ITの提供開始に合わせて今年中にアップデートされ、「Chesar 3」となる。EU規制では、販売元が販売先に対して特定化学物質製品の取り扱注意情報や事故時の対処方法をまとめた「安全データシート(SDS)と曝露シナリオ」を提出することを義務付けているが、Chesarはその提出の際に用いられるツール。新版Chesarは、IUCLID 6フォーマットに対応するとともに、「安全データシート(SDS)と曝露シナリオ」のデータ送信がより迅速にできるようになるという。また、多成分物質やUVCB物質(未知または不特定な構成要素を持つ物質)など複雑なケースも扱えるようになる予定だ。

 ユーザーサポートはツール上でのコミュニケーションに一本化される。REACH-ITに関しては、段階的に23のヨーロッパ言語で表示できるようになる。IUCLIDマニュアルは簡素化され、23のヨーロッパ言語でウェブサイト閲覧が可能となる。ツール上でのトレーニングは5月中には完成する予定で、オンラインセミナーも実施される予定だ。

【参照ページ】New generation of IT tools coming soon
【ソフトウェア】IUCLID 6
【ソフトウェア】REACH-IT
【ソフトウェア】Chesar

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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