スウェーデンの政府年金基金の一つAP2は6月13日、化石燃料セクターの財務リスクを軽減するため、新たに石炭関連企業11社と石油ガス開発企業8社からの投資引き揚げ(ダイベストメント)を実施したと発表した。ダイベストメント規模は市場価格にして総額5.5億スウェーデンクローナ(約66億円)となる。
AP2は、2014年に気候変動に焦点を当てた初めての化石燃料企業のリスク分析を実施しており、すでに20社のダイベストメントを決定している。その後毎年、気候変動リスクのフォローアップ評価を行っており、2015年12月31日実施の評価で、追加で石炭企業11社、石油・ガス企業8社のダイベストメントを決定した。これで、ベンチマークインデックスに残る石油・ガス開発企業1社を残し、合計23社の石炭企業と15社の石油・ガス企業のダイベストメントを行った。同機関の発表においては、今回ダイベストメントを実施した19社の具体的社名は明らかにはされていない。
同年金基金がダイベストメント対象とした石炭企業の売上は主に火力燃料用の石炭。気候変動に関連する環境および健康リスクを考えると財務リスクは非常に高まると捉えている。石油・ガス企業に関しては、オイルサンドから石油採取を行うなど、まだ多くの企業がコストの高いプロジェクトに関わると想定しており、今後気候変動に関連した深刻な財務リスクに直面するとした。
ファンドの19社の保有資産は市場価格にして5.5億スェーデンクローネであったが、既に全売却されている。売却で得られた資産はすべての業種に再投資された。
【参照ページ】Second AP Fund divests holdings in an additional 19 fossil-fuel production companies
【機関サイト】AP2
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