
カナダのドミニク・ルブラン漁業海洋相は1月23日、絶滅危惧種に指定されているタイセイヨウセミクジラ(North Atlantic Right Whales)が漁網に絡まる等の被害から保護するため、カナダ東部セントローレンス湾南部でのズワイガニ漁を制限する方針を発表た。水面に仕掛けられる漁網の長さ制限や、浮きの個数管理制限の徹底、漁具の紛失届の義務化等を導入する。
タイセイヨウセミクジラは現在、生息数が世界全体で500頭を下回るまでに減少しており、そのうち約25%がセントローレンス湾周辺に生息していると言われている。2017年6月以降、漁船の活動海域ではタイセイヨウセミクジラ12頭の死骸が発見されており、死骸解剖の結果、漁船衝突や漁網に絡まっての餓死の痕跡が見られた。ルブラン大臣は、2017年11月9日に大臣主催の関係者会合を開催。州政府、先住民族、企業、NGO、学者等70人以上が出席し、ズワイガニ漁規制の意向を示していた。カナダ政府は2017年にすでに、同海域での船舶航行速度を時速10ノット以下に制限する規制も導入している。
一方、カナダはズワイガニの世界的生産地で、世界の水揚げ量全体の約半数を占めている。とりわけセントローレンス湾はカナダのズワイガニ漁の中心地。カナダ以外では、韓国の日本海沖、米国のアラスカ湾沖、ロシアのオホーツク海が主な産地。日本でもズワイガニは穫れるが、水産資源漁回復のための魚種に指定されていることもあり、水揚げ量は多くない。日本で流通しているズワイガニのほとんどは、カナダ、米国、ロシアから輸入もの。数年前までは、ロシア漁船が北海道で水揚げするズワイガニも多かったが、違法漁船が多かったため、2014年に日ロ政府間が取り決めを締結。以後、北海道で水揚げされるズワイガニ数は激減し、日本国内でのズワイガニ価格は年々高騰している。
【参照ページ】Minister LeBlanc announces new protections for whales
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