【日本】パナマ船籍石油タンカーが日本のEEZ内で沈没。原油が大量に流出 2018/02/02 最新ニュース

 イランの海運会社が所有するパナマ船籍の石油タンカー「サンチ」が1月6日、中国上海沖約300kmで香港籍の貨物船「CFクリスタル」と衝突・炎上し、乗組員のイラン人30人、バングラディッシュ人2人が行方不明。その後、周辺海域を漂流し1月14に日本の排他的経済水域(EEZ)内で爆発、沈没した。同タンカーは、非常に燃えやすい超軽質原油(コンデンセート)を約11万1,000t積載しており、その多くは船舶炎上により揮発したものの、1,000tの原油が流出のおそれ。1991年にアンゴラ沖で石油26万tが流出したタンカー事故以来の大規模な海洋汚染が発生している。行方不明者32人は全員死亡したとみられる。

 沈没地点およびその周辺には48m2から5.5m2まで規模の異なる4種類の油膜が出現しており、全体の面積は1月22日の時点で332km2。コンデンセートは天然ガス液とも呼ばれ爆発しやすい。また有毒だが無色で海上からは見えにくく、広範な地域での重大な生態系被害が危惧される。さらにタンカーの走行燃料である重油の流出も懸念されている。中国交通運輸部は17日にタンカーを水深115m地点で発見したと発表。水中ロボットで周辺を探索する予定。船籍国のパナマ海事庁によると、有効な技術証明書と国際協定に基づいて要請される経済的補償を備えており、書類上の違反は見られないという。

 世界的に船舶の多くは、所有者の国ではなく登記が容易な国の船籍となっており、「便宜置籍船」と呼ばれる。そのうちパナマで8,600隻で最多。米国の3,400隻、中国の3,700隻を遥かに上回る。パナマでは、乗組員に関する規制も緩やかなため、賃金の安い外国人を多く雇用したい場合には好都合であり、さらに船主が外国人の場合には、所得税が無税となる。

 現在、事故海域を管轄する日本の第10管区海上保安部が対応にあたっており、油粒を細かくする「航走拡散」を巡視船1隻が実施している。海上保安庁は、油膜は浮いているため海洋生物への被害は確認されていないというが、国際環境NGOグリーンピースは汚染リスクは否定できないとしている。

【参考ページ】China says sunken Iranian tanker may now be leaking heavy oil
【参考ページ】Panama says sunken Iranian tanker had papers in order
【参考ページ】Sunken tanker Sanchi: Four oil slickers seen, China says
【参考ページ】Why so many ship owners find Panama’s flag convenient
【報告書】石油タンカー䛾衝突事故に関する概況報告書

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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