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【国際】機関投資家の労働情報開示イニシアチブWDI、初年度結果公表。日本企業2社とも回答せず

 機関投資家の労働分野での共同イニシアチブ「Workforce Disclosure Initiative(WDI)」は5月1日、初年度の調査結果レポートを発行した。WDIは世界10ヶ国79の機関投資家が参加。企業に対し従業員管理の情報開示を要求するイニシアチブ。ESG投資推進NGOのShareActionが呼びかけ、英シュローダーズ、仏アムンディ、仏ナティクシス、英HSBCアセット・マネジメント、仏アクサ・インベストメント・マネージャーズ、英リーガル・アンド・ゼネラル・インベストメント・マネジメント、蘭APG等、欧州の運用会社大手が多数参加。参加機関投資家の運用資産総額は8兆米ドル(約900兆円)。英国際開発省も活動資金を提供している。

【参考】【国際】大手機関投資家79社、企業に労働情報開示を要求するイニシアチブ「WDI」発足(2017年7月18日)

 活動初年度はパイロットイヤー(試用年度)と位置づけ、2017年7月にグローバル企業74社に調査票を送付。そのうち34社が調査票への回答を実施した。回答したのは、アングロ・アメリカン、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、BHPビリトン、バリック・ゴールド、サンゴバン、H&M、バーバリー、BTグループ、HSBC、スタンダードチャータード、ユニリーバ、ネスレ、ロレアル、ディアジオ、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)、インターナショナル・エアラインズ・グループ、SSE、マイクロソフト、グラクソ・スミスクライン、アストラゼネカ、カナディアン・ナショナル鉄道等。回答率は45%。

 一方、回答しなかったのは、ウォルマート、テスコ、BAEシステムズ、GAP、マークス&スペンサー、NIKE、WPP、P&G、BP、ロイヤル・ダッチ・シェル、ロイズ・バンキング・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、GE、ロールスロイス、アルファベット、リオ・ティント、中国移動通信(チャイナモバイル)、ボーダフォン等。日本企業はソニー、ダイキン工業の2社が対象となったが、いずれも回答しなかった。

 WDIの調査票は、米SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)、英年金基金団体Pensions and Lifetime Savings Association(PLSA)、米Human Capital Management Coalition(HCM連合)等が定めたガイドラインを基準に設計。NGOのオックスファムやSHAREもWDIに協力している。同分野では、カリフォルニア州のサプライチェーン透明法、英国現代奴隷法、フランスのDuty of Care Law(注意義務法)等の法規制も考慮した。内容には、労働環境、ダイバーシティ、ジェンダー賃金平等(Gender Pay Gap)、賃金、離職率、研修時間、内部通報制度、苦情処理メカニズム、安全衛生、従業員エンゲージメント、サプライヤーの労働面ポリシー等多岐に渡る。

 一般的に労働面では企業の情報開示が進んでいないと言われている。今回の調査からも、多くの企業が調査票には回答したものの、公開迄していない項目が多くあった。WDIは、今回の結果を受け、調査票内容を見直し、2年目となる今年はさらに送付対象先を拡大し、回答を募る。参加している機関投資家にも投資先企業へのエンゲージメント強化を促した。

【参照ページ】WDI pilot year report

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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