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【アメリカ】カルパース、投資リターン目的以外でのダイベストメントには反意

 カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)理事会は7月16日、カリフォルニア州法案783「ダイベストメント提案レビュー」に対し、中立の立場を表明した。同州法案は、同州議会が同州公的年金基金に特定のダイベストメント(投資引揚げ)を要求する州法案を審議する際の手続きを明確にするためのもの。

 同州法案783は、特定のダイベストメントやエンゲージメントを要求する州議会立法をする際に、CalPERSとカリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)に与えるインパクトを、カリフォルニア大学に設置される機関「年金ダイベストメントレビュー・プログラム」が事前に分析すると規定している。同州議会が年金ダイベストメントレビュー・プログラムに分析を命じた後、同プログラムは60日以内に分析レポートを同州上院仮議長、同州下院議長等に提出しなければならないとしている。

 今回の見解表明文書の中でCalPERSは、長期的な投資パフォーマンスのためにエンゲージメントやダイベストメントを実施することはあるが、純粋な「社会的正義」のためにエンゲージメントやダイベストメントを行うことは、同州憲法17条が定める受託者責任(Fiduciary Obiligation)に反するとの考えを示した。また、公的年金基金理事は、年金加入者の利益のためだけに全うし、年金保険料の最小化に努める義務があり、連邦法による一部例外を除き、投資運用に置いて他のルールに服する立場にないと強調した。

 その考えのもとで今回の州法案については、年金ダイベストメントレビュー・プログラムによって事前にインパクト分析がされることは州議会がダイベストメント提案を評価するための時間とデータを与えるものと評価。また、感情的ではない方法でインパクト分析を行う評価基準を立てることにも賛同した。一方、年金ダイベストメントレビュー・プログラムの作業が、すでにCalPERSとCalSTRSが実施している作業と重複するため政府歳出が無駄になる点や、インパクト分析にCalPERSとCalSTRS自身が参加できず影響力が減じられる点については懸念を表明した。また、年金ダイベストメントレビュー・プログラムが実施するインパクト分析についても、将来投資リターンは予測が難しく、投資リスクについては投資家にとって最も重要な判断個所だとして、実効性にも疑問を呈した。そのため、最終的な立場表明としては中立とした。

【意見書】Senate Bill 783 – Public Employee Pension Funds: Divestment Proposals Review

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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