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【イギリス】シュローダー、ESG型マルチファクター株式ファンドSMFE設定。DC企業年金需要の取り込み狙う

 投資運用世界大手英シュローダーは10月10日、ESG投資型のマルチファクター株式ファンド「Sustainable Multi-Factor Equity(SMFE)」を設定したと発表した。同社は2017年、マルチファクター株式ファンド「Global Multi-Factor Equity(GMFE)」を設定し、販売に成功。今回、ESG投資需要の高まりを受け、GMFEにさらにESG要素を付加したファンドを新たに設定した。

 シュローダーが9月に発表した世界統計から、投資に対する知見や自信が強い投資家ほど、ESG投資に積極的なことがわかってきた。最近ESG投資を増やしたか否かに関する設問では、自分自身を「専門家」とみなす人は54%がESG投資運用を増やしたと回答した一方、「初心者」とみなした人は33%と低かった。また、投資家全体の中で57%が、情報不足や理解不足がESG投資へ阻んでいるとも回答した。そのため、シュローダーは、ESG投資の普及には投資教育が有効と位置づけれている。

 また年齢別では、ESG投資を増やしたと回答した割合は、18歳から24歳で71%、25歳から34歳で75%、35歳から44歳で69%、45歳から54歳で59%、55歳から64歳で53%、65歳以上で43%と、若い人ほどESG投資に積極的という傾向が出た。地域別では、ESG投資は財務リターンを犠牲にすると考える人の割合は、欧州が23%で低く、アジアが29%と高かった。特に、中国、インドネシア、タイでは30%を超え、ネガティブに考える人が多かった。

 シュローダーが昨年開始した「Global Multi-Factor Equity(GMFE)」は、世界株式インデックス「MSCI All Country World Index」をユニバースとし、バリュー、モメンタム、クオリティ、低ボラティリティの4ファクタープレミアムからの超過リターンを狙ったもの。そして今回のSustainable Multi-Factor Equity(SMFE)はさらに、同社独自のES(環境・社会)ファクター判断モデル「SustainEx」を組み込んだ。

 今回のファンドは、とりわけ英国の確定拠出年金(DC)型企業年金基金への活用を目的としている。確定給付(DB)型企業年金は、年金基金運用者に理解によりESG投資を促進できるのに対し、DC型では企業年金加入者の個々の判断が重要となる。今回、超過リターンを説明しやすいESGファンドを作ったことで、DCファンド加入者の取り込みを狙う。そのため、ESG投資への関心が高い層の性向を考慮し、SMFEでは、たばこ、ギャンブル、武器関連企業を投資対象銘柄から除外し、二酸化炭素排出量もユニバースより半減できるポートフォリオとした。

 実際に英国では、政府主導の企業年金基金National Employment Savings Trust(NEST)やHSBC企業年金基金が、DC運用の初期設定をESG投資とする決定を下した。初期設定になることで、加入者が何も指示をしなければ、ESG投資ファンドで運用されることとなる。今回のシュローダーのSustainable Multi-Factor Equity(SMFE)も、すでに3つのDC型企業年金基金が初期設定ファンドに採用した。

【参照ページ】Schroders launches Sustainable Multi-Factor Equity fund
【参照ページ】Schroders Global Investor Study 2018: Minority of people globally concerned investing sustainably would hinder returns

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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