英国デューデリジェンス・コンサルティングErgon Associatesは10月15日、2015年に制定された英国現代奴隷法の企業実施状況を分析した報告書を発表した。同社は2017年4月にも分析を行っており今回は第3弾。多くの企業で前回結果からほとんど改善が見られない現状が明らかとなった。
【参考】【イギリス】Ergon、英国現代奴隷法の企業報告状況報告書発表。改善の余地が大きいと総括(2017年5月4日)
今回の調査では、前回の調査時に対象とした150社についての継続調査の形をとった。結果、54%となる81社しか現代奴隷法に十分準拠する報告書を作成していなかった。現代奴隷法は罰則規定がないため、実践は企業のスタンスに委ねられている。一方、先進企業では、現代奴隷法が、経営陣の認識を向上させる契機となったと回答し、経営改善につながっているがわかった。
十分な報告書を行っている81社のうち、58%は2年目の報告で内容の大幅な変更を実施したことがわかった。一方、残り42%は、1年目と全く同じまたはほぼ同じ内容だった。但し、全体的な内容の質については、いずれの項目についても向上していない模様。
項目別では、方針については力強く記述しつつも、具体的なリスクアセスメントプロセスを記述している企業は非常の稀。取組改善において肝となるKPIの開示を行っている企業も14%に留まった。一方、先進企業の中には、サプライヤーマップを記載し、読者にリスク所在地をわかりやすく開示する工夫をしていた。また、現代奴隷発覚時の対処措置について記述する企業も出てきた。
(出所)Ergon Associates
現在、英国政府は現代奴隷法の強化に向けた見直し作業に入っている。
【参照ページ】Modern slavery reporting: Is there evidence of progress?
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