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【アメリカ】カリフォルニア州電力大手PG&E、大規模山火事被害により連邦破産法申請を検討か

 米電力大手PG&E(パシフィック・ガス&エレクトリック・カンパニー)が、2017年と2018年にカリフォルニア州で発生した山火事に起因する巨額の負債により、今年2月頃までに連邦破産法の適用申請を検討している模様。米紙が1月5日、一斉に報じた。PG&Eは、カリフォルニア州北部に電気及びガス供給する民間企業で、ニューヨーク証券取引所に上場している。

【参考】【アメリカ】カリフォルニア州、大規模山火事が同時発生。焼失規模が同州史上最大(2018年8月14日)
【参考】【アメリカ】カリフォルニア州2018年冬の山火事、死亡者同州過去最大。全米有数の高級住宅地も焼失(2018年11月15日)

 PG&Eの2017年の売上は約170億米ドル(約1.8兆円)、利益は16億米ドル(約1,700億円)。現在の時価総額は126.6億米ドル(約1.35兆円)だが、山火事が深刻化した2018年11月までは2倍の250億米ドル(約2.7兆円)レベルを推移していた。

 PG&Eは、巨大な山火事により送配電網に大きなダメージを負い、再建には大きな資本が必要となっている。さらに山火事そのものについても同社の責任を問う訴訟も発生しており、負債はさらに膨らむ可能性がある。同社は山火事に対する損害保険に加入しているが、負債額がそれを大きく超える状態になっており、破産法適用により負債を軽くする検討をしているとみられる。同社は、2000年のカリフォルニア電力危機の際に経営難に陥り、翌2011年に連邦倒産法を申請した過去がある。

 同州の巨大な電力会社の破産危機を前に、同州議会は、2017年の山火事による負債に対しては消費者に価格転嫁することを承認しているが、2018年の山火事についてはまだ承認が出ておらず、今後も不確実性が高い。

 同社取締役は1月4日、山火事及びそれによる経営危機の驚異に対応するため、取締役会の刷新または追加任命の検討を開始したことを表明。さらに取締役の下に山火事の安全性を諮問するための独立専門家による委員会を設置したことも明らかにした。

 同州の山火事は、気候変動により頻度や勢力が年々高まっているとみられ、今後も大きな被害が発生する可能性が高い。気候変動による物理的リスクの一つと言える。また保険会社も山火事被害に対し多額の保険金を支払っている。

[2019年2月4日追記]
同社は2019年1月29日、連邦破産法11条の適用を裁判所に申請したが、業務は継続する。55億米ドル(約6,000億円)の金融支援を求めている。

【参照ページ】PG&E Board Committed to Change

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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