米連邦最高裁判所は1月7日、マサチューセッツ州政府がエクソンモービルに対し気候変動関連の書類開示を要求していた訴訟で、エクソンモービル側の上告を棄却した。同州は、エクソンモービルが、化石燃料が気候変動に悪影響をもたらすことを知りながら数十年間それを隠し続けてきた証拠を集めるために同社に書類開示を要求し、連邦控訴裁判所は同州側勝訴の判決を下し、エクソンモービルが上告していた。
今回の訴訟は、ロサンゼルス・タイムズ紙とInsideClimate Newsが2015年、1970年代と1980年代の内部文書を基に、エクソンモービルの社内科学者が化石燃料燃焼は気候変動に悪影響を与えると結論づけていたと報道したことに端を発する。マサチューセッツ州政府は2016年に、ニューヨーク州政府とともに、裁判所に対し、消費者保護法違反の嫌疑による民事調査執行書を申請。エクソンモービルが反論し法廷闘争が開始された。
エクソンモービル側は、エクソンモービルの登記はテキサス州とニュージャージー州であり、マサチューセッツ州政府やニューヨーク州政府が書類開示請求を行うことは不当と主張していた。しかし、マサチューセッツ州最高裁判所は、同州内でエクソン及びモービル・ブランドでのガソリンスタンドを約300ヶ所展開されているとし、マサチューセッツ州政府とニューヨーク州政府の執行管轄権を認めた。エクソンモービルは不服とし、連邦最高裁に判断を上告していた。
同州は、今回の勝訴を受け、エクソンモービルが投資家や消費者に対して行った欺瞞を民事調査する姿勢を明確にした。今後、エクソンモービルが化石燃料燃焼が気候変動に関する影響をどう認識し、またいつそのように認識するようになったかの調査を開始する。
【参照ページ】Exxon Mobil vs Healey
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