デンマークの学者・研究者向け年金基金MP Pensionは9月3日、原油世界大手10社をブラックリスト化し、株式投資引揚げ(ダイベストメント)すると発表した。引揚げ総額は6億6400万デンマーククローネ(約101億円)。同基金は、ポートフォリオのカーボンフットプリントを低減するため、債券のダイベストメントについても検討中とした。
今回ダイベストメント対象となったのは、エクソンモービル、BP、シェブロン、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、ロスネフチ、ロイヤル・ダッチ・シェル、中国石油化工(シノペック)、トタル、ペトロブラス、エクイノールの10社。これらの企業は、同年金基金の石油関連ポートフォリオの3分の2を占めていた。
同年金基金の取締役会は2018年、2020年末までに石炭、タールサンド、原油事業のすべての株式を引き揚げることを誓約。2018年には、先行して石炭およびタールサンド関連企業に対するダイベストメントを実施した。今回は、原油大手の長期的なビジネスモデルや戦略、パリ協定との整合性を勘案した結果、今回のダイベストメント発表に繫がった。
7月にはデンマークの企業年金基金PenSamが石油会社26社をブラックリスト化し、総額130万デンマーククローネの株式を売却。但しPenSamは、ロイヤル・ダッチ・シェルとBPへの投資は継続することを選択している。
MP Pensionは今回、BP、ロイヤル・ダッチ・シェル、トタル、エクイノールについては、低炭素経済に向けた取り組みの兆しがあると一定の評価を下したが、ダイベストメントを決定。一方で残り6社については、取り組みが認められないか、非常に限定的な取り組みに留まると、厳しい見方を示した。また、10社に対し、各国での気候変動規制強化を支持するよう要求した。
同年金基金は、今回ダイベストメント対象となった企業に抜本的な変革があった場合には、再度投資することも示唆。対応を促した。
【参照ページ】MP ekskluderer verdens ti største olieselskaber
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