国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局は9月23日、「国連グローバル・気候アクション・アワード2019」の受賞者15団体を発表した。同賞は、政府、企業、NGO、大学、個人まで幅広く取組を募集。今年は、「地球の健康部門」「カーボン・ニュートラル部門」「女性インパクト部門」「ファイナンス部門」の4部門が設けられた。
同賞は世界的な知名度が高く、過去には一国の小さな事業だったものが受賞後、世界30ヶ国にまで広がった案件もあった。
地球の健康部門(Planetary Health)
Impossible Foods(シンガポール、香港、アメリカ、マカオ)
サステナビリティ需要が高まる食肉業界において、植物性ベースの代替品を開発
アリペイ・アント Forest(中国)
同プロジェクトのスマホアプリを利用するユーザーが、環境に優しいアクションをとることでグリーンポイントを加算。貯めることで実際の植樹につなげた
ゲント市政府「Ghent en Garde」(ベルギー)
ヨーロッパの市政府として初めて独自のフードポリシーを確立
Electricians Without Borders(ドミニカ国)
自然災害などの際に、島に6つある医療機関に再生可能エネルギーでできた電力を「緊急電力ポケット」として供給するモデルを提案
カーボン・ニュートラル部門(Climate Neutral Now)
マックス・ガーバー(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ポーランド)
飲食業界として世界で初めて「Climate Positive」なメニューを発表。消費者に各商品の二酸化炭素排出量を開示
Natura「Carbon Neutral Programme」(グローバル)
ブラジル最大のコスメ企業。温室効果ガス削減を掲げ、原材料の調達から生産、流通に至る一連の工程を改革
アップル「Emissions Reduction Mission」(グローバル)
世界43ヶ国にある同社のすべてのオフィスや小売店、データセンターにて使用する電力の100%を再生可能エネルギーに移行
インフォシス「Journey to Carbon Neutrality」(インド)
インドIT第2位。企業として初めてカーボン・ニュートラルを宣言。温室効果ガス削減に取り組んでいる
女性インパクト部門(Woman for Result)
Young Women’s Grassroots Action on Climate Change(サブサハラ)
サハラ砂漠以南のアフリカの貧しい農村地域で若い女性向けの教育イニシアチブを開始
Mothers Out Front(アメリカ)
アメリカ国内24,000人の母親から成る、気候変動の影響から子どもやコミュニティを守るための活動
Women’s Action Towards Climate Resilience for Urban Poor in South Asia(バングラデシュ、インド、ネパール)
インドNGOのMahila Housing Sewa Trust。低所得世帯の女性たちを気候変動の影響から立ち上がるためのエンパワーメント活動
Eco Wave Power(イスラエル、ジブラルタル)
海洋、および波からクリーンな電力を生み出す画期的な技術の開発
ファイナンス部門(Financing For Climate Friendly Investment)
Beyond the Grid Fund for Zambia(ザンビア)
ザンビア政府などと協力し、非電化地域にクリーンな電力を提供。CO2削減や女性の雇用にもつなげている
Women’s Livelihood Bond Series(グリーバル)
総額約160億円を南アジア、東南アジアの女性200万人に投資。手頃な価格で女性らの起業や事業、保険購入などをサポート
カナダ・ケベック州「International Climate Cooperation Program」(カナダ)
2016年より途上国向けに気候変動対策資金を支援するプログラムを導入
【参照ページ】Winners of the 2019 UN Climate Action Awards Announced
【画像】UNFCCC
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