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【国際】2019年「企業人権ベンチマーク(CHRB)」発表。首位アディダス。日本企業18社対象、評価低い

 機関投資家と人権NGOが設立したビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブであるCHRB(Corporate Human Rights Benchmark:企業人権ベンチマーク)は11月15日、世界主要企業の人権格付の2019年結果を発表した。最高スコアを獲得したのは昨年に続きアディダス。今年は、対象となった日本企業が大幅に増加した。

 CHRBは2016年から毎年格付結果を発表している。対象となる企業は、人権問題の多い農作物、アパレル、資源採掘業種で時価総額と売上が大きい上場企業が選ばれ、今年から新たに情報通信系電子機器関連業が対象に加わり、合計200社。昨年の101社から倍増した。日本企業では、2016年の初回からイオンとファーストリテイリングが対象となっていたが、今年はさらに、キリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、東京エレクトロン、キヤノン、JXTGホールディングス、村田製作所、国際石油開発帝石、日立製作所、任天堂、日本製鐵、セブン&アイ・ホールディングス、サントリー食品インターナショナル、京セラ、HOYA、ファミリーマート、キーエンスが加わり、合計18社と9倍になった。

 CHRBを構成しているのは、機関投資家側は英AVIVA Investors、スウェーデン・ノルデア銀行、蘭APG、蘭ESG投資推進VBDO。人権NGO側は、ビジネス・人権資料センター(BHRC)、人権ビジネス研究所(IHRB)、EIRIS財団。さらに、英国際開発省(UKAID)、オランダ外務省、スイス連邦政府も資金援助をし、国連財団やWorld Benchmarking Allianceも支援している。

 評価手法は、「ガバナンスとポリシー」「人権尊重と人権デューデリジェンス」「救済と苦情処理メカニズム」「人権慣行」「深刻な申立への反応」「透明性」の6つの観点で構成。国連グローバル・コンパクト(UNGP)やOECD多国籍企業行動指針(OECDガイドライン)、国連ビジネスと人権に関する指導原則等が参考にされている。UN評価手法開発では、2016年まで2年以上かけ、約400機関以上のステークホルダーから意見を得た。今年の調査では、2月中旬から3月末まで、企業のホームページや報告書、またはCHRBのツール「CHRB Disclosure Platform」上で人権に関する情報を提供するよう企業に通知され、初期評価について企業側に抗弁の機会も与えられた。

CHRB-2019
(出所)CHRB

 100点満点で80点以上を取得したのは、アディダスのみ。70点以上ではユニリーバ、マークス&スペンサー、リオ・ティント、BHPビリトン、フリーポート・マクモラン、レプソル。60点以上では、ケロッグ、インディテックス、ENI、アングロ・アメリカン、ニューモント・ゴールドキャップ。

日本企業2016201720182019
ファーストリテイリング10-19%10-19%20-30%40-50%
イオン20-29%20-29%10-20%20-30%

 日本企業での最高位は、ファーストリテイリングの40-50%。それ他の17社は20-30%より下におり、非常に評価が低かった。ファーストリテイリングは、CHRBの対象となっていから、年々スコアを挙げており、CHRBを意識し始めてから状況が改善していると言える。今年の200社のスコア平均は32で、昨年の27から改善が見られた。

【参照ページ】2019 Results Press Release
【レポート】2019 Key Findings

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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