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【国際】WHO、新型コロナウイルスをパンデミック認定〜フェーズ6での推奨政策とは〜

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は3月11日、新型コロナウイルス(COVID-19)を「パンデミック(世界的大流行)」と認定した。パンデミックは、WHOの感染病分類の中で最も重い「フェーズ6」を意味する。

 WHOのパンデミック認定は、WHOの文書「パンデミック・インフルエンザ準備・対応ガイダンス」に基づくもの。同ガイダンスは1999年に策定され、2005年、2009年と2回改訂。パンデミック発生を阻止するために6段階のフェーズを設定し、ステージ毎に推奨される対応策を記述している。そして最終段階がフェーズ6のパンデミックとなる。過去パンデミックと認定されたのは、2009年に北米で発生した新型インフルエンザ(H1N1)の1例のみ。また同ガイダンスは、インフルエンザのみを想定していたが、今回はコロナウイルスに拡大適用された。

 H1N1の場合は、発展途上国等での統計がはっきりせず、公になっているものでも、死者の推計は15万人から57.5万人と非常に幅広い。だが、H1N1の際は、致死率が高くなく、パンデミック認定が後に問題視され、WHOは批判されもした。それによりWHOはパンデミック認定を以後慎重に行うという方針に転換した。期間では、最初の発症からWHOがパンデミック終了を宣言するまで1年6ヶ月、WHOのパンデミック認定から終了までは1年2ヶ月かかった。

 今回のアダノム事務局長は、パンデミックの認定は「容易に慎重さを欠いてするものではない」と発言。間違って認定すれば、不必要な不安や、拡大は止められないという正当化できない諦めを生み出し、それが感染者や死者を増やしてしまうことになるとし、パンデミック認定がこのタイミングになった背景を説明した。だが、WHOのパンデミック認定は遅すぎたという批判もかなり出ている。

 同ガイダンスにおけるフェーズ6「パンデミック」と一つ手前のフェーズ5認定での推奨政策は、感染者が出た国では、医療関係者に対する記録の徹底や、ワクチン開発への協力、最大限の連携等を記述しているが、それ以外も社会・経済的な影響の大きい対処方法にも触れている。例えば、感染国では、非常事態宣言を含む必要措置の発動、公共交通機関による移動の制限、集会の中止・規制・変更等の必要性の確認と決定、感染国を減らすための出国者チェックの実施なども推奨アクションに含まれている。

 今回のアダノム事務局長は、パンデミックと認定したが、WHOの対応や各国に推奨する対応方法については変更はないと言及。社会・経済的な影響についての配慮を見せた。だが、各国では、パンデミックと認定された場合に発動する政策等を定めている国もあり、一段と踏み込んだ政策が打ち出されていく可能性もある。

【参照ページ】Rolling updates on coronavirus disease (COVID-19)
【ガイダンス】Pandemic influenza preparedness and response: a WHO guidance document

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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